研究課題/領域番号 |
15540242
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
三好 真 国立天文台, 電波研究部, 主任研究員 (50270450)
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研究分担者 |
出口 修至 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教授 (20197825)
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キーワード | 銀河中心 / ブラックホール / 質量分布 / 一酸化珪素メーザ / 相対VLBI / いて座Aスター |
研究概要 |
1)銀河中心ブラックホールおよびそれをとりまく恒星系/ダークマターの質量を精度よく求めることは、銀河中心核を理解する上で欠かすことができない。我々は、野辺山で得られた銀河中心から15分角(約30pc)以内にある一酸化珪素メーザ源の視線速度データーを用い、ボルツマン方程式を視線方向に積分する事により、銀河中心核の質量を求めた。銀河中心から15分角以内の一酸化珪素メーザ源の密度分布は、半径の冪乗則で変化し、水酸基メーザ源の分布とやや異なる冪を持つ。そこで、銀河中心核の質量を、中心ブラックホールとこの冪乗則密度分布を持つ恒星系の質量の和で表されると仮定すると、ボルツマン方程式を視線方向に積分した、視線速度のついてのモーメント方程式を作る事ができる。異なる半径での速度分散の平均値から、最少自乗法によりブラックホールと中心核恒星系の質量を求める事ができる。その結果、銀河中心核の質量はM_R=(2.69±1.30]+0.88[±0.07](R/pc)^{1.25)×10^6太陽質量を得た。以上の結果、および速度の視線方向成分とポテンシャルエネルギーとの関係から、大きなポテンシャルエネルギーを持つ高速度星のみをサンプルから分離する事ができる。そこで、速度が正および負の高速度星の近赤外光度を比べると、統計的に有為な差のある事がわかった。これは、高速度星が銀河中心よりかなり外側(R>300pc)にあり、バルジの星である事を示唆している。 2)我々は銀河中心1pcスケールにある一酸化珪素メーザ源を中心核ブラックホールSgrA*に対する位置を、VLBAを用い相対VLBI観測から計測した。3つのSiOメーザ源の固有運動を0.1mas/yearの精度で計測し、SgrA*が周辺星系に対し並進している可能性を示唆する結果を得た。また中心から2pc以内の質量下限値が200万太陽質量であることを推定した。 3)SgrA*の強度モニター観測を野辺山ミリ波干渉計で行っている。1時間程度の短期フレアを4年3月に観測したが、その後は検出されない。
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