研究課題
基盤研究(C)
1)VLBAによる銀河中心領域のSiOメーザ観測データ解析を行い、3つのSiOメーザ源の固有運動を0.1mas/yearの精度で計測し、SgrA*が周辺星系に並進している可能性を示唆する結果を得た。また中心から2pc以内の質量下限値が200万太陽質量であることを推定した。2)銀河系中心ブラックホールSgrA*の強度モニター観測:上海天文台のShen、宮崎、野辺山の坪井らと野辺山ミリ波干渉計を用いてSgrA*のミリ波での強度モニター観測を実施している。現在のところ短時間のフレアは確認されていない。3)銀河中心ブラックホールおよび周囲の恒星系/ダークマターの質量を我々は、野辺山で得られた銀河中心から12分角(30pc)以内にあるSiOメーザ源の視線速度データを用い、ボルツマン方程式を視線方向に積分する事により、求めた。観測された銀河中心から15分角以内のSiOメーザ源の密度分布は、半径の冪乗則で変化し、OHメーザ源の分布とやや異なる冪を持つ。そこで、銀河中心核の質量を、中心ブラックホールとこの冪乗則密度分布を持つ恒星系の質量の和で表されると仮定すると、ボルツマン方程式を視線方向に積分した、視線速度のついてのモーメント方程式を作る事ができる。異なる半径での速度分散の平均値から、最少自乗法によりブラックホールと中心核恒星系の質量を求める事ができる。銀河中心核の質量はM_R=(2.69±1.30)+0.88[±0.07](R/pc)^{1.25)×10^6太陽質量を得た。また速度の視線方向成分とポテンシャルエネルギーとの関係から、大きなポテンシャルエネルギーを持つ高速度星のみをサンプルから分離する事ができる。速度の正負の高速度星の近赤外光度を比べ、統計的に有為な差のある事がわかった。これは、高速度星が銀河中心よりかなり外側(R>300pc)にあり、バルジの星である事を示す。
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