本年度は以前にすばる望遠鏡で観測したCl1604-03という銀河団領域における弱い重力レンズ解析を行い、それを用いてミンコフスキー汎関数という統計量を計算し、銀河団が存在する領域に非ガウス的な信号を見つけた。これによってミンコフスキー汎関数が弱い.重力レンズによる銀河団探査の方法として有用であることを示した。また同観測において光学的に銀河団が発見されていない領域に弱い重力レンズの信号が現れていたが、2003になってその信号の位置にX線観測で銀河団が発見された。この銀河団は弱い重力レンズで発見された銀河団の2例目である。このことも弱い重力レンズによる銀河団探査の現実性を示すものである。 またすばる望遠鏡による2003年度の観測データを解析して暗黒物質も含んだ質量分布中を求めており、現在、銀河分布と弱い重力レンズによる質量分布の間の関係を調査中である。
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