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2005 年度 実績報告書

超対称標準模型およびその拡張された模型の現象論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540255
研究機関東京大学

研究代表者

久野 純治  東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (60300670)

キーワード超対称性 / 宇宙の暗黒物質
研究概要

超対称標準模型は、素粒子の標準模型を超える理論として多くの研究者に注目されている理論である。この模型の予言の1つに宇宙の暗黒物質が存在する。この理論では陽子の安定性から離散的対称性が要請されるが、その結果もっとも軽い超対称粒子は安定となり、その最も軽い超対称粒子(LSP)は宇宙の暗黒物質の候補である。LSPが何であるかは超対称性の破れのメカニズムに依存しいくつの候補が存在するが、その中で有力な候補はゲージボゾンやヒッグスボゾンの超対称粒子からなるニュートラリーノである。宇宙の暗黒物質がニュートラリーノであることを検証する方法として、地上で原子核との散乱課程を捕らえる直接探索と、宇宙におけるニュートラリーノ対消滅過程から生じる異常宇宙線を捕らえる間接探索が存在する。
我々は、ニュートラリーノがSU(2)ゲージチャージを持つようなウイノやヒグシーノに近い状態である場合に着目し、その場合のニュートラリーノ対消滅から生じる異常宇宙線の研究を行った。ニュートラリーノがウイノやヒグシーノに近く、またその質量がTeVスケールにある場合、摂動論による対消滅断面積の評価は正しくなく、非摂動論的効果を取り入れる必要があることを我々は昨年度に示した。その結果をもとに、ニュートラリーノ対消滅祈願の銀河中心からのガンマ線およびハロー中からの陽電子のフラックスの評価を行った。以前の研究ではTeVスケールに質量を持つニュートラリーノの異常宇宙線による探索は不可能と思われていたが、この研究によりそうではないことが判明した。
標準的な暗黒物質の地上での直接探索は上記の通り原子核との散乱課程を捕らえるものである一方で、この方法では暗黒物質がニュートラリーノであるという証拠には必ずしもならない。我々はニュートラリーノが暗黒物質であるという直接的な証明をする方法として、電子加速器による方法を提案した。ニュートラリーノは電子とその超対称粒子であるスカラー電子と相互作用をする。将来加速器実験によりスカラー電子、ニュートラリーノの質量が精密に測定されれば、電子加速器における電子のエネルギーをニュートラリーノとスカラー電子の質量差に合わすことで、電子、ニュートラリーノ散乱による質量殻でのスカラー電子生成を検出可能となる。我々はその実現のための検出器等への要求をまとめるともに、この電子加速器による暗黒物質探索では暗黒物質の到来方向を調べられることを示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Investigation Of Possible Dark Matter Direct Detection In Electron Accelerators2006

    • 著者名/発表者名
      J.Hisano
    • 雑誌名

      Phys.Rev. D73

      ページ: 031701

  • [雑誌論文] Hadronic EDM constraints on orbifold GUTs2005

    • 著者名/発表者名
      J.Hisano
    • 雑誌名

      Phys.Lett. B624

      ページ: 239

  • [雑誌論文] Non-perturbative effect on dark matter annihilation and gamma ray signature from galactic center2005

    • 著者名/発表者名
      J.Hisano
    • 雑誌名

      Phys.Rev. D71

      ページ: 063528

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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