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2006 年度 研究成果報告書概要

ブラックホールと量子情報

研究課題

研究課題/領域番号 15540258
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
研究機関東京工業大学

研究代表者

細谷 暁夫  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80028258)

研究分担者 古池 達彦  慶応義塾大学, 理工学部, 助手 (40286646)
研究期間 (年度) 2003 – 2006
キーワード量子計算 / 変分原理 / ユニタリー変換 / 混合状態 / 量子最速方程式 / 測定
研究概要

あたえられた標準的な初期状態から、目的の状態に最短時間で到達するための、(一般には時間に依存する)ハミルトニアンを、一定の制約の中で探す問題を考えた。これは、量子計算の回路の最適な構成、デバイスの最適な設計など実際的な問題であると同時に、一般的に量子系の制御の問題と捉えても興味深い。
この問題を変分原理で定式化するときに、(1)状態変化はシュレーディンガー方程式に従うこと(2)ハミルトニアンは、自然法則からの制限、使えるエネルギーが限られていること、あるいは実験上の制約など、拘束条件が課せられていることを、ラグランジュ未定係数法により取り入れる。変数は、状態ベクトルとハミルトニアンの両方である。変分から、シュレーディンガー方程式と、量子最速方程式と名付けた普遍的な微分方程式が得られ、それらを解くことにより最適なハミルトニアンを得る。それにより、最速の量子状態時間発展を得る。いくつかの簡単な純粋状態の例で実証した(第1論文)。次に、これを初期状態によらない一般のユニタリー変換を最適化する問題に拡張し、量子計算に即した例で示した(第2論文)。さらに、これを混合状態の場合に拡張し、マスター方程式が成り立つ物理的状況(短時間のマルコフ過程の繰り返し)場合に同様の変分原理を定式化する。変分から、最適のハミルトニアンとリンドブラッド演算子が求まる。実例のスピン一個の系で興味深いことに、測定過程を用いて混合状態を経由する状態変化の方が速い場合がある。今後は、より現実的な終状態実現に誤差のある場合への拡張を行い、多キュービットの場合を数値的に解くことに進むが所定の目的は達したと考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Time Optimal Unitary Operations2007

    • 著者名/発表者名
      Alberto Carlini, Akio Hosoya, Tatsuhiko Koike, Yosuke Okudaira
    • 雑誌名

      Phys.Rev.A 75

      ページ: 042308

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Yosuke Okudaira Time Optimal Unitary Operations2007

    • 著者名/発表者名
      Alberto Carlini, Akio Hosoya, Tatsuhiko Koike
    • 雑誌名

      Phys.Rev.A 75

      ページ: 060503

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Time Optimal Quantum Evolution2006

    • 著者名/発表者名
      Alberto Carlini, Akio Hosoya, Tatsuhiko Koike, Yosuke Okudaira
    • 雑誌名

      Phys.Rev.Lett. 96

      ページ: 060503

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Yosuke Okudaira Time Optimal Quantum Evolution2006

    • 著者名/発表者名
      Alberto Carlini, Alcio Hosoya, Tatsuhiko Koike
    • 雑誌名

      Phys.Rev.Lett.

      ページ: 060503

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [学会発表] International Conference on Quantum And Bioinformation2007

    • 著者名/発表者名
      Quantum Brachistochrone
    • 学会等名
      Science University
    • 発表場所
      NODA, Japan
    • 年月日
      2007-05-19
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [学会発表] Quantum Brachistochrone2007

    • 著者名/発表者名
      細谷 暁夫
    • 学会等名
      Quantum and Bio Information(QUBIC)
    • 発表場所
      東京理科大
    • 年月日
      2007-03-16
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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