研究概要 |
まず、研究計画に沿った成果としては、 (1)PCクラスターの増強 現有するPCクラスターのCPUをPentiumIV2.8GHzに交換するとともに、新しく同規模のPCクラスターを購入した。これにより計算パワーは従来の約10倍に増強された。 (2)計算プログラムの整備 博士研究員の協力を得て今まで使用してきた2,3,4次元のプログラムを統一化した。すなわち、次元d(2,3,4)、d単体の数、測定法を指定するとプログラムを走らせることが出来る。その結果、 (A)次元の測定法の比較検討を行い、4次元においては0単体を基準にする距離と4単体を基準にする距離には大きい違いにあることがわかった。これは2次元では起こらなかったことである。内容は2003年つくば市で開かれた格子場の理論国際会議で報告された(洞田真一博士との共同研究)。 (B)プログラムの改善により4次元シミュレーションで10万単体の計算が可能になった。(これは従来の約8倍のサイズ) 次に、申請書の年次計画には書かれていないが今年度のトピックスとして研究した成果を報告する。 (1)米国のWMAPプロジェクトによる宇宙背景輻射の非等方性の観測が、重力が量子化されている兆候を示していることを指摘した。(高エネルギー加速器研究機構浜田賢二助手との共同研究。現在投稿中) (2)格子重力のシミュレーションデータを使って宇宙空間の非等方性を測定しWMAP観測と比較する計算を実行。(総合研究大学院大学洞真博士との共同研究。春の物理学会-九州大学-で発表予定)
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