• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

量子的インフレーション宇宙における時空構造の進化とそのシミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 15540265
研究機関名古屋大学

研究代表者

南部 保貞  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40212112)

キーワードインフレーション / 非一様時空 / 反作用
研究概要

量子効果の時空構造への影響を取り入れる準備として,非一様時空の表現方法の一つであるgradient expansionの性質の再検討をおこなった.この方法はEinstein方程式に含まれる空間微分の階数についての摂動展開で近似解を構成する手法であり,展開の0次(back ground)においても非線形のゆらぎを取り入れる事ができる.この方法を長波長ゆらぎによる反作用問題の観点より繰り込み群の手法に基づいて再定式化することに成功した.その直接的な応用として,ゆらぎの非断熱成分のみがフリードマン宇宙への反作用効果をもたらすことが明らかになった.
また,物質場として非線形相互作用する2つのスカラー場を持つモデルを用いて,インフレーション後の再加熱時における非一様構造の進化を,数値的及び解析的に取り扱った.再加熱時においてはコヒーレントに振動するインフラトン場によって引き起こされるパラメーター共鳴によって,物質場と計量のゆらぎが増幅される.Gradient expansionを用いた数値計算ではゆらぎは線形成長の時期を経て非線形成長の時期に入り,最終的には一定の振幅を持つランダムな空間パターンが実現される.これは扱っているモデルがカオス系であること,0次のgradient expansionが各空間点間の相関を持たないという事より理解できる.ゆらぎのパワースペクトルは初期に用意するゆらぎのパターンによらず,最終的にはホワイトノイズのパワースペクトルに移行してしまうが,中間段階での進化は初期のパワーインデックスによって異なる.Gradient expansionの解を一様等方なフリードマン宇宙のまわりで2次まで摂動展開することより,パワーインデックスの時間変化の様子を解析的に導出することに成功した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Evolution of Non-linear Fluctuations in Preheating after Inflation2006

    • 著者名/発表者名
      南部保貞, 荒木陽平
    • 雑誌名

      Class.Quantum Grav. 23

      ページ: 511-525

  • [雑誌論文] The separate universe and the backreaction of long wavelength fluctuations2005

    • 著者名/発表者名
      南部保貞
    • 雑誌名

      Phys.Rev.D 71

      ページ: 084016

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi