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2003 年度 実績報告書

重力理論におけるホログラフィー原理と弦理論の構成的定式化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540269
研究機関京都大学

研究代表者

福間 将文  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10252529)

キーワード非可換幾何 / 宇宙背景輻射 / ホログラフィー原理 / 2次元重力 / 非臨界弦 / くりこみ群 / ホログラフィー的くりこみ群 / インフレーション
研究概要

1)ホログラフィー的くりこみ群:一般次元の場の理論に対するホログラフィー的くりこみ群について、弦理論の補正を入れてもホログラフィー的性質が保たれることを証明した。具体的には、非臨界弦を用いた解析を通じて、2次元非線形シグマ模型のくりこみ可能性がホログラフィー的性質を保証していることを示した。さらに、高階微分を含む重力理論におけるHamilton Jacobi方程式を解くことで、くりこみ群の流れの中にEinstein重力では現れなかったmulticritical pointが出現することを示した。
2)2次元におけるホログラフィー原理とentropy bound:2次元重力におけるホログラフィー原理の定式化はこれまで謎であったが、ワイル・アノマリーを正しく考慮することによりホログラフィー原理が非自明に成立することを示した。さらに、高次元で期待されるようなエントロピーの上限が2次元にも存在することを確かめた。
3)非可換時空と宇宙背景輻射:インフレーション期の宇宙において、インフラトン場にホログラフィックな正則化を導入することにより、初期宇宙に対して弦理論的な非可換性を導入した。さらに、その証拠が、宇宙背景輻射の観測データの中に、長波長側でのdampingとして現れている可能性を指摘した。
4)温度・曲率限界とcyclic universe:温度のみならず時空の曲率にもstring scaleの上限があると仮定した時、宇宙がビッグバンとビッグクランチを繰り返すcyclic universeの描像が自然に導かれる事を示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Masafumi Fukuma, So Matsuura, Tadakatsu Sakai: "Holographic Renormalization Group"Progress of Theoretical Physics. 109. 489-562 (2003)

  • [文献書誌] Masafumi Fukuma, Akitsugu Miwa, Kazuyoshi Takahashi: "Holographic Entropy Bound in Two-dimensional Gravity"Progress of Theoretical Physics. 110. 115-125 (2003)

  • [文献書誌] Masafumi Fukuma, Yuji Kono, Akitsugu Miwa: "Effects of Space-time Noncommutativity on the Angular Power Spectrum of the CMB"Nuclear Physics B. 682. 377-390 (2004)

  • [文献書誌] Masafumi Fukuma, Yuji Kono, Akitsugu Miwa: "Noncommutative Inflation and the Large-scale Damping in the CMB Anisotropy"Proceedings of the 3^<rd> International Symposium on Quantum Theory and Symmetries (QTS3), Cincinnati, 10-14 Sep, 2003.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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