研究課題/領域番号 |
15540270
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 義和 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70199397)
|
研究分担者 |
今井 憲一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70025493)
鈴木 宣之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
河野 通郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40234710)
|
キーワード | クォーク模型 / ハイペロン核子相互作用 / ハイペロンハイペロン相互作用 / ストレンジネス / 共鳴群模型 / ハイパー核 |
研究概要 |
本研究の目的は、現実的クォーク模型バリオン間相互作用であるfss2やFSSを用いて軽いΛハイパー核のFaddeev計算やBrueckner理論に基づく詳細なG-行列計算を行い、ハイパー核やハイペロン・核子相互作用の新しい実験データとの比較検討を通じて、より正確なハイペロン・核子相互作用やハイペロン・ハイペロン相互作用の理解を得ることである。具体的には、これまでの成果である二体クラスターRGM kernelを用いた三体クラスター方程式の定式化に基づいて、種々のハドロン系におけるFaddeev計算を行う。今年度の特徴はこれらの詳細な計算を通じて、もっとも新しい模型であるfss2に対しても幾つかの点で不十分さが現れ始めたことである。 まずHypertritonから分かるΛN相互作用の^1S_0状態と^3S_1状態の相対的な引力の強さについては、その差は以外に小さく、p_Λ=200MeV/c領域で位相差が0°〜2°程度のものが望ましい。有効中間子交換ポテンシャルであるκ中間子massを少し大きくとると改善できるが、他のΛN相互作用への影響を検討する必要がある。またααRGM kernelを用いたααΛ三体模型による^9_ΛBeのFaddeev計算では、Born近似によるバリオン間相互作用のスピン軌道力の取り扱いの限界を乗り越えるためにG-行列計算に基づく一体スピン・軌道力のScheerbaum因子の検討を行った。その結果、この実験データに関する限りfss2の様にスカラー中間子交換ポテンシャルにLS力を含めることは得策ではなく、むしろFSSの様にLS力の起源をすべてクォーク部分からの寄与とするほうが有利であることが分かった。一方fss2,FSSとも同様な結果を与えている場合も多い。その一例としてΣ^+p相互作用があるが、その中間エネルギー領域におけるKEK実験データの解析が進み,我々のクォーク模型相互作用のNijmegen soft-coreポテンシャルに対する優位性が示された。
|