研究概要 |
本研究の目的は、現実的クォーク模型バリオン問相互作用であるfss2やFSSを用いて軽いΛハイパー核のFaddeev計算やBrueckner理論に基づく詳細なG-行列計算を行い、ハイパー核やハイペロン・核子相互作用の新しい実験データとの比較検討を通じて、より正確なハイペロン・核子相互作用やハイペロン・ハイペロン相互作用の理解を得ることである。最近の大きな成果である、クォーク模型B_8B_8相互作用fss2,FSSの完成、および二体RGM kernelを用いた三体クラスター方程式の定式化のもとに、種々のハドロン系におけるFaddeev計算が大きく進展した。 1.fss2とFSSを用いた少数多体系のFaddeev計算:これには、HypertritonのΛNN-ΣNNチャンネル結合Faddeev計算、2Λα模型による^6_<ΛΛ>He(長良イベント)のFaddeev計算、および^9_ΛBeの励起5/2^+,3/2^+状態のspin-orbit splittingの検討が含まれる。それぞれ、実験との比較によりハイペロン核子相互作用やΛΛ相互作用に対する重要な知見が得られた。 2.二体クラスターRGM kernelを用いた三体クラスターFaddeev formalismの発展:このformalismを三体クラスター系の直交条件模型に適用し、新たにalmost redundant Faddeev componentという重要な概念を明らかにした。 3.fss2,FSSの改良とQMPACK homepageの開設:アイソスピン基底以外に物理的粒子基底で計算できる計算コードを開発し、クーロン力の取り扱いにも改善を加えた。更に、これらをウエブページにより一般に公開した。URLはhttp://www.qmpack.homelinux.com/~qmpack/index.php
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