次の課題の研究を行った。 (1)ニュートリノ系でのCPの破れの研究 低エネルギーでニュートリノ振動実験から決めることの出来るディラックCP位相と、高エネルギーでの例えばレプトジェネシスで現れるCPを破る位相(マヨラナ位相)との間の関係を調べた。特に、高エネルギーでのニュートリノ混合がbi-maximal混合である場合について、繰り込み群を用いて、これらの位相の関係を調べ、模型がすべての実験を再現出来ることを示した。また他の実験で得られる量である、二重ベータ崩壊での有効質量、V_<13>の大きさ等を調べた。レプトン数を破る過程である、μ→e+γなどの分岐比を計算した。 (2)クオーク系やレプトン系でのCPを破る位相を一元的に記述する模型の可能性を検討している。 (3)ニュートリノの質量の起源を統一理論の観点から研究している。
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