ニュートリノの性質、特にレプトン数非保存過程の研究やCPの破れの研究を通して、ニュートリニュートリノ混合や質量の起源、CPの破れの位相の起源に迫る研究を行った。また、ニュートリノ振動実験、ニュートリノの香りを破る崩壊、レプトジェネシスなどの結果からどのような情報が得られるのかを研究した。 特に 1.シーソー機構と超対称性を破る項がGUTスケールでユニバーサルであることを仮定し、レプトンの香りを破る過程にCPを破る位相がどのように寄与するか調べ、たいていの場合大きな寄与をすることを示した。特に、μ→e+γ、τ→μ+γの起こる頻度が、位相のない場合に比べ、位相のある場合、大きく変わることを見つけた。(2つの論文として発表した。) 2.CPの破れの起源の模型を提案した。具体的には、クォークの質量行列のヒエラルキーな構造を説明するフロガット・ニールセン(FG)機構に現れるスカラー場を2種類に拡張し、クォーク系におけるCP位相の起源がこれらの2つの場の真空期待値の位相の差によると考える模型を提案し検討した。またニュートリノ系についても検討を進めている。(現在論文にまとめている。)
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