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2004 年度 実績報告書

新しい並進対称性の破れのメカニズムと相転移構造

研究課題

研究課題/領域番号 15540277
研究機関神戸大学

研究代表者

坂本 眞人  神戸大学, 理学部, 助手 (30183817)

研究分担者 谷村 省吾  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90273482)
キーワード超対称性 / 余剰次元 / ゲージ理論 / 階層性問題の解決 / 境界条件 / 対称性の破れ
研究概要

1.特異点を持つ1次元量子力学系における超対称性
特異点を持つ量子力学系は最近の研究により、非常に物理的に豊富な内容を持っていることがしだいに分ってきた。特異点の存在は、必然的に系の並進対称性を破る。我々は円周に特異点を等間隔に配置して、その特異点の種類をうまく選ぶことによって系に超対称性が現れることを示した。特異点の数や種類をうまく選べば、任意の個数の超電荷を持つ理論を構成することが出来ることを具体的に示した。このとき、どのような特異点をどのように与えるのかの完全な分類に成功した。この超対称性は、量子力学レベルであるので、いわゆる場の理論的な超対称性とは異なるが、余剰次元を持つ場の理論へ応用することにより、低エネルギー有効理論における階層性問題の解決の新しい機構を与える可能性を調べたのが下に述べる研究である。
2.余剰次元を持つゲージ理論におけるヒッグス場を伴わないゲージ対称性の破れと階層性問題
階層性問題を余剰次元を持つゲージ理論の枠組みで解決しようとする研究が最近精力的になされている。われわれは、上の1.の研究から余剰次元を持つゲージ理論には量子力学的超対称性が常に内在していることを示した。この超対称性は、高次元ゲージ対称性を4次元有効理論から見たときの名残である。実際、この超対称性は4次元の質量スペクトラムに質量の縮退として現れる。量子力学的超対称性は、基底状態が超対称性変換の下で不変ならそのエネルギーはゼロであることを意味し、このことは質量ゼロの粒子の存在を保証する。質量ゼロの粒子は、4次元ゲージ場あるいは、スカラー場に相当する。従って、4次元ゲージ対称性の有無は、ゼロエネルギー解の存在の有無、言い換えると、基底状態が超対称性変換の下で不変かどうかで決まる。我々は1.での結果を用いて、うまく余剰次元方向の境界条件を選ぶと基底状態が超対称性を保たないモデルを作ることが出来、基底状態のエネルギースケールが系のエネルギースケールに比べて指数関数的に小さくなれるを示した。まだ、現実的な現象論的なモデルではないが、階層性問題を解決する新しい機構を与えることに成功したことになる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Higgsless Gauge Symmetry Breaking with a Large Mass Hierarchy2004

    • 著者名/発表者名
      Tomoaki Nagasawa
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical Physics Vol.112 No.4

      ページ: 629-638

  • [雑誌論文] Supersymmetry and Discrete Transformation on S^1 with Point Singularities2004

    • 著者名/発表者名
      Tomoaki Nagasawa
    • 雑誌名

      Physics Letters B 583

      ページ: 357-363

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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