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2004 年度 実績報告書

動的クォークの効果を取り入れた大規模数値シミュレーションによる格子QCDの研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540279
研究機関広島大学

研究代表者

大川 正典  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00168874)

キーワード格子QCD / 動的クォーク / ハドロン行列要素
研究概要

強い相互作用を支配する法則は量子色力学であると考えられており、その定量的研究は素粒子物理学の最も重要な課題の一つである。これを可能にしたのが格子量子色力学(格子QCD)であり、計算機の発達とともに数値シミュレーションにより物理量を定量的に求める方法が飛躍的に進歩して来た。特に動的クォークの効果を無視したクエンチ近似においては、大規模な数値計算が高統計で出来るようになり、種々のハドロン行列要素の連続理論での値が求まっている。しかし、これらの計算は近似計算であり、計算されたハドロンの質量スペクトルは実験値から5-10%程度ずれている。最近2フレーバー(u,dクォーク)の動的クォーク効果を取り入れた研究が行われ、このずれが半分以下になることがわかってきた。我々は3フレーバー(u,d,sクォーク)の動的クォークの効果を効率よく取り入れる新しいアルゴリズムを開発し、ハドロンの行列要素等の研究を続けている。本年度は、有限の格子間隔から生じる系統誤差を評価し、連続理論での物理量の値を求める研究を行った。物理量の格子間隔依存性は用いるフェルミオン作用によって異なる。格子間隔の2乗に依存した小さな系統誤差しか持たないO(α)improved Wilsonフェルミオンを採用し、格子間隔αがα【approximately equal】0.1fmおよび0.12fmの二つの格子上で質量スペクトル等を計算した。これらの格子上で計算された物理量に格子間隔の2乗に比例した依存性があると考えα=0への外装を行ない、プレリミナリーではあるが実験値と矛盾しない連続理論での質量スペクトル等の値を得ることが出来た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Non-perturbative O(a)-improvement of Wilson quark action in three-flavor QCD with plaquette gauge action2005

    • 著者名/発表者名
      N.Yamada
    • 雑誌名

      Physical Review D71・5

      ページ: 054505 1-054505 16

  • [雑誌論文] Non-perturbative renormalization of meson decay constants in quenched QCD for a renormalization group improved gauge action2004

    • 著者名/発表者名
      K.Ide
    • 雑誌名

      Physical Review D70・7

      ページ: 074502 1-074502 11

  • [雑誌論文] Light hadron spectroscopy in two-flavor QCD with small sea quark masses2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Namekawa
    • 雑誌名

      Physical Review D70・7

      ページ: 074503 1-074503 27

  • [雑誌論文] A scaling study of the step scaling function in SU(3) gauge theory with improved gauge actions2004

    • 著者名/発表者名
      S.Takeda
    • 雑誌名

      Physical Review D70・7

      ページ: 074510 1-074510 10

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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