研究概要 |
1)ユニタリ模型演算子の方法をアイソスピン基底における定式化から、陽子中性子を区別する粒子基底において定式化するように拡張した。このことにより、荷電依存性をもつ核力モデルの使用やクーロン力効果を平均化せずに評価することが可能になった。 2)二重閉殻核の基底状態エネルギー、非閉殻核の1粒子状態エネルギー、1空孔状態のエネルギーを重心励起除去など、整合的に計算できるように理論の定式化を行った。 3)2体クラスタ項までの近似において、数値計算プログラムを開発した。 4)2体クラスタ項までの近似において、荷亀依存性をもついくつかの高精度の核力モデルを用いて、酸素16核とその近傍核(酸素15,17核、窒素15核、フッ素17核)の1粒子エネルギーを系統的に計算し、採用した核力モデル依存性、調和振動子基底の振動数依存性を分析した。 5)酸素17核とフッ素17核間の、クーロン力によるThomas-Ehrman shiftが計算において見出された。 6)1体演貫子によるユニタリ変換理論とみなせるHartree-Fock理論においては1体平均場が導入されるが、本研究においては2体相関演算子を用いるために、1体の平均場に加えて、2体以上の平均場も導入する。2体相関振幅について同じ次数まで考慮すると3体クラスタ項、4体クラスタ項まで評価する必要があり、1粒子エネルギーへの3体クラスタ項および4体クラスタ項の効果は部分的に相殺することがわかった。 7)2体平均場を導入しない近似において、酸素24核とその近傍核の一粒子エネルギーへの3対クラスタ項(および4体クラスタ項)の効果の予備的な計算と分析を行った。
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