我々の研究の二年目には、カラビ・ヤウ多様多にコンパクト化したタイプII型超弦理論に由来する.N=2超重力有効理論の理解に大きな進展を与えた.我々の研究の初期の時点(一年目)では、数種の物質ハイパー多重項を扱うための幾何学的な枠組みが適していなかったため、N=2超重力に結合しているひとつの物質ハイパー多重項しか扱えなかった.最近、我々は、微分幾何学でペダーセン-プーンの定理として知られる.より一般的な方法を任意の数の物質ハイパー多重項の場合に応用することに成功し、その有効作用を明示的に導いた.N=2超対称性と非反可換超空間を用い、U(1)ゲージ群を持つ非反可換N=2超対象ゲージ理論において、いわゆるBPS方程式の一般化を発見した.さらに我々は、成分場で全作用を計算することでこの結果を、SU(2)ゲージ群を持つ非反可換で非アーベル的なN=2超対称ゲージ理論に拡張することができた.これらの理論はN=2超対称性、ローレンツ対称性のいずれも破っていない. また我々は、オリエンティフォールドT^6/Z_2×Z_2にコンパクト化したタイプII A型超弦理論における交差Dブレインモデルで湯川結合の導入に新しいシナリオを提案した.そして現象論的に興味深い四世代クォーク・レプトンを持つモデルで湯川結合の明確な具体例を与えた.S.ケトフはドイツ、カイザースラウテルン大学へ研究滞在したが、情報を集めたり、W.ルーエル教授とドイツにいる彼の共同研究者たちとアイデアを意見交換することができ、新しい結果を得るために著しく有益であった.
|