研究課題
昨年度に引き続き、ドイツ、エルランゲン大学のレンツ教授、ティース教授、東京大学の太田教授との共同研究で、光円錐上での場の理論の定式化におけるカイラル対称性とその自発的破れの記述について、新しい発展を試みるとともに、やり残した問題を検討した。新しい発展の試みには、まだ、見通しが立っているものはないが、残された問題のうち、光円錐上での場の理論、特に繰り込み不可能な有効理論の正則化について、ある程度の進展があった。具体的には、南部・ジョナ-ラジニオ(NJL)模型の光円錐上での記述におけるギャップ方程式とメソンに対するタム・ダンコフ方程式の首尾一貫した正則化を検討している。一方、東海大学のベンツ助教授、アメリカ、ジェファーソン研究所のトーマス教授、東京工業大学の石井博士達とのNJL模型に基づく核子の核媒質中での構造変化については、スピン構造への拡張を試みている。また、上で述べた正則化に関連して、以前に計算したNJL模型におけるパイオンの構造関数の正則化依存性を調べた。今年度は本務の関係で夏期休暇中のエルランゲン大学訪問が出来なかったので、予算の約半分をノートパソコンの購入に当てた。必要なソフトも導入し、現在有効に利用している。また、昨年度と同様に、残りの予算の約2/3を総合報告誌Physics Reportsで新しく出版されたものの中、研究課題と関連するものを購入した。昨年度購入したものとともに、参考資料として有効に利用している。
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Phys.Rev. D 70
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AIP Conf.Proc. 717
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Nucl.Phys. A 735
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