研究課題/領域番号 |
15540291
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
玉田 雅宣 近畿大学, 理工学部, 教授 (70163673)
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研究分担者 |
本田 建 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10115321)
広永 美喜也 近畿大学, 理工学部, 助手 (20257976)
嶋野 法之 近畿大学, 理工学部, 助教授 (10257975)
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キーワード | 宇宙線 / エマルション・チェンバー / 核相互作用 / 画像処理 / パターン認識 |
研究概要 |
今年度は以下に示すように、スキャナーによるシャワー黒化度測定の基礎データを得ることを主な目的とした研究を行った。 (A)近畿大学と山梨大学にあるデジタルスキャナー(同機種)の性能の比較:テストチャートを用いて、使用条件による違い(室内の明るさ、使用時間など)、スキャナーの測定場所による結果の違い等を調べた。全く同じ結果にはならないが、実用上問題にはならず、ほぼ安定した結果の得られることが判明した。 (B)フィルム黒化度の比較校正:テストチャートをマイクロフォトメータおよびスキャナーの両方で測定することにより、フィルム黒化度とピクセル値(8ビット、16ビット)との関係を得た。 (C)宇宙線シャワー黒化度の比較校正:チャカルタヤ山エマルション・チェンバー実験で観測されているカスケードシャワーをマイクロフォトメータおよびスキャナーの両方で測定することにより、宇宙線シャワースポットのフィルム黒化度とピクセル値との関係を調べた。600dpiでスキャンして得られたピクセル値から(B)の校正結果を用いてフィルム黒化度に変換した値は測定誤差(バックグラウンドの取り方等による)を考慮すればフォトメータ測定とよい一致を示すことがわかった。 (D)画像処理を用いたシャワースポットの抽出:エマルション・チェンバー実験で用いられているX線フィルム(50cm x 50cm、50cm x 40cm)を全面スキャンしたピクセル値からなる元データをtiff形式で保存する。このデータに画像処理の手法を適用し、シャワースポットデータを取り出す。本年度は、600dpiでのスキャンデータに対し、(1)ピクセル値から黒化度への変換、(2)各ピクセルでの黒化度から周辺領域黒化度をバックグラウンドとして差し引いた正味の黒化度を求める、(3)輪郭追跡法を用いて、ある一定の領域面積をもつスポットを取り出し、そのスポットの座標および最大黒化度をリストアップする。これらの一連の処理を行うことが可能となった。
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