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2003 年度 実績報告書

行列模型と時空構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15540294
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

磯 暁  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (20242092)

キーワード行列模型 / 量子重力 / 超弦理論
研究概要

超弦理論の構成的定式化である行列模型にどのように時空が埋め込まれているのか、また一般座標不変性などの対称性を見つけ出すのが、この研究の大きな目標である。今年度の研究は主に次の二つに分類される。一つ目が、行列模型を一般化した超対称行列模型での時空の埋め込み方、二つ目が行列模型における背景場非依存性の研究である。
(1)一つ目の研究では次のことを行った。
今まで考えられてきた行列模型は、普通の通常のリー代数に基づくボゾン的な行列をもとに構成されていた。このため、行列模型の古典解を時空とみなした時、その時空は通常の空間を表現することとなる。我々は、この行列模型を、古典解として超空間を記述できるような行列模型に拡張した。特に、超ファジー球面を古典解としてもつ行列模型を、超対称リー代数をもとに構成した。ファジー球面を古典解にもつ行列模型は、今まで知られていて、その行列模型を古典解の周りに展開すると、ファジー球面の上の非可換ゲージ理論が構成できることがしられていた。われわれは、超対称リー代数を用いることで、超ファジー球面を古典解にもつ行列模型を構成し、その回りの理論が超ファジー球面上のゲージ理論となることを示した。このような非可換性をもつ超空間は、弦理論ではラモンド場が真空期待値をもつと自然に現れることが知られており、我々の作った行列模型も、そのような理論を記述していると考えられる。
(2)二つ目の研究では次のことを行った。
行列模型は重力を記述する理論と信じられているが、それを証明するためには、どの背景場時空の周りに展開しても同じ理論になっていること、より具体的には、違う時空の周りの展開が、重力場の凝縮でつながっていることを示す必要がある。われわれは、これを示すために、大きなサイズの行列模型の一部分を積分して、小さな部分系の有効作用を求めることにより、積分する部分の波動関数の選び方が、重力場の凝縮をあらわすことを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Ito, H.Umetsu: "Note on gauge theory on fuzzy supersphere"Physical Review D. (出版予定). (2004)

  • [文献書誌] S.Ito, H.Umetsu: "Gauge theory on noncommutative supersphere frow supermatrix"Physical Review D. (出版予定). (2004)

  • [文献書誌] M.Hatsuda, S.Ito, H.Umetsu: "Noncommutative superspace, supermatrix and lowest Landau level"Nuclear Phvsiscs B. 671. 217-242 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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