研究課題/領域番号 |
15540294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 佐賀大学 (2005-2006) 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2004) 高エネルギー加速器研究機構 (2003) |
研究代表者 |
青木 一 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80325589)
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研究分担者 |
磯 暁 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (20242092)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 超弦理論 / 行列模型 / 超重力理論 / 非可換幾何 / カイラル・フェルミオン / ブラックホール |
研究概要 |
超弦理論は、重力を含む素粒子物理学の統一理論、すなわち時空と物質を一つの枠組みで記述できる理論である。その非摂動的定式化である行列模型を軸に、時空の構造やその上での物質の現れ方などについての研究を行った。本研究課題の研究期間に得られた主な成果は以下の3つである。 1.行列模型での時空構造と超重力理論での時空構造との関係を詳細に調べた。行列模型でウイルソンループ演算子とよばれる物理量を調べる事で、超重力理論の背景(時空)場を変更する頂点演算子を系統的に構成した。さらにこの頂点演算子を用いて、行列模型において、重力場などの超重力多重項の場の凝縮について解析を行った。 2.行列模型および非可換時空上での物質のカイラルな構造についての研究を行った。格子上の場の理論で発達したギンスパーグ・ウィルソン(GW)関係式を行列模型に適用し、一般の非可換空間上で、GWディラック演算子を定義し位相不変量やインデックスを定式化する一般的処方箋を与えた。さらに位相的に非自明な配位の構成や、そのダイナミクスの解析を行い、超弦理論や行列模型でのカイラル・フェルミオンの実現についての理解を進めた。 3.ブラックホール時空からのホーキング輻射が場の理論での量子異常を使って理解できることを明らかにし、回転しているブラックホールや高次元のブラックホールなど様々なブラックホールにも適用した。さらにブラックホールのエントロピーなどの熱力学的諸量の理解にむけた研究へと継続している。
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