研究課題/領域番号 |
15540295
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
伊藤 領介 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (90193531)
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研究分担者 |
鈴木 聡 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助手 (50280508)
樋口 岳雄 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (40353370)
中尾 幹彦 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (80290857)
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キーワード | データ収集システム / Grid / 最適化 |
研究概要 |
本年度はデータ収集システム上のデータ流量やプロセッサの負荷をモニタする機構を開発するために、PCサーバー25台からなるテストベンチシステムを構築した。これらは大型のギガビットイーサネットスイッチに接続されている。各PCサーバーは2つのCPUを内蔵するSMPタイプのものであり、データ処理の負荷の影響をあまり受けることなく、相互に高速の通信が可能となっている。相互のデータ通信速度はGridで使用されているMPICH-G2を用いて測定し、どのノード間でも60MBytes/sec以上で通信出来ることを確認した。このシステムを用いて、データ収集システムのフロントエンド読み出しシステムとイベントビルダーをシミュレートするソフトウェアを開発した。つぎに各ノードにおけるデータ流量および負荷をモニタし、その情報を全てのノードで共有するユーティリティ=を開発した。情報共有の為のソフトウェアには、最終的にはGridに使用されているglobusを使用する予定であるが、本年度は開発時間の短縮のため、現在Belle実験で利用しているNSM(Network-Shared-Memory)を使用した。これを用いてデータ収集の最適化をおこなうための情報の共有が可能であることが確認された。また各ノードで動作するソフトウェアを動的に変更できることが、本研究の課題のひとつであるが、このためのソフトウェアフレームワークを、Belle実験で使用しているBASFをもとに開発した。このフレームワークの上では、種々の機能を持つ小さなソフトウェアがそれぞれモジュールとしてダイナミックリンクされる構造になっている。プログラム実行中にダイナミツクリンクの機能を利用してモジュールを入れ換え、プログラムの機能を変えることが出来ることを確認した。以上の開発によりデータ収集システムの動的最適化を実現するための基本的な道具立てが整った。来年度はこれらを用いて動的最適化のアルゴリズムの開発をおこなう。
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