研究概要 |
次世代放射光源での中核的技術と期待される、超伝導リニアックに向けた加速管の高次モード減衰法に関する研究を継続した。超伝導加速管において高次モードを強力に減衰できる方法として放射状線路(radial transmission line)を用いた高次モード減衰法を考案し、この方法で得られる高次モード減衰特性を調べた。TESLA型9セル空洞と同じ形状の銅製モデルを用いて測定を行った。予想された通り、放射線路ダンパーを空洞に近づけるほど高次モードの外部Q値は低下した。空洞とダンパー間の距離を3cmに選んだ場合、進行方向偏向(モノポール)モードの外部Q値はTM011-likeモードとTM020-likeモードがともに約10,000であった。横方向偏向(ダイポール)モードでは、TE111-likeモードが約10,000以下、TM110-likeモードが10,000〜100,000程度であった。全体的に良好な高次モード減衰が得られているが、TM110-likeモードのQ値をさらに下げることが望ましいため、細部の改良を行っている。 こららの研究成果を、米国ニューポートニュースで2005年3月19-23日に開催されたワークショップ"The 32nd Advanced ICFA Beam Dynamics Workshop on Energy Recovering Linacs(ERL2005)"と、米国Knoxvilleで2005年5月16-20日に開催された"Particle Accelerator Conference 2005"で発表した。
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