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2003 年度 実績報告書

回折放射による高品質電子ビームの非破壊計測法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540301
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

浦川 順治  高エネルギー加速器研究機構, 教授 (00160333)

研究分担者 照沼 信浩  高エネルギー加速器研究機構, 助手 (70237014)
早野 仁司  高エネルギー加速器研究機構, 助教授 (00173055)
キーワード回折放射 / 非破壊ビーム診断 / 金属薄膜 / 電子ビーム / 干渉パターン
研究概要

2002年度に世界で始めてIncoherentな回折放射による可視光測定に成功した(Physical Review Letters, Volume 90,Number 10,104801-1,14 March 2003)。非破壊ビーム診断への応用を実証するためには、金属薄膜にスリットを高精度で製作して、スリット中心を電子ビームが通過する実験を行い、上下のスリット端部からの回折放射光の干渉パターンを高精度で測定できることを示すことになる。金属薄膜はシリコン板(厚さ200ミクロン)に金を1ミクロン厚で蒸着して、製作した。スリットは化学的な方法により260ミクロン幅になるように製作を企業に依頼した。スリットのある標的の平面度等をレーザー干渉計で測定した結果、平均表面粗さは20nm程度であることが確認できた。これにより上下のスリット両端部からの500nm可視光による干渉測定にこの金属薄膜標的は十分である。
2003年にスリット標的による電子ビームサイズ測定実験を開始した。本測定では約10m上流の偏向電磁石からの放射光と回折放射光の干渉が問題になった。この問題を解決するために標的の上流50cmにマスクを設置して、偏向電磁石からの放射光を低減した。この結果、干渉パターンとして理論計算で予測できる結果と測定誤差範囲内で一致する測定結果を得た(Physical Review Lettersに投稿中)。
この研究開発では電子ビームが標的スリットを通過するだけで、測定干渉パターンから電子ビームサイズおよび電子ビーム軌道変動を1ミクロン以下の高精度で得ることが目的である。現状では検出器の感度が不十分なために多数回の電子ビーム通過からの回折放射光データを蓄積して、基礎的な実験を行っている。2004年度は検出器の感度を上げて、一回の電子ビーム通過で電子ビームサイズが得られるように装置を改良する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] P.Karataev, S.Araki, R.Hamatsu, H.Hayano, J.Urakawa et al.: "Status of optical diffraction radiation experiment at KEK-ATF extraction line"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 201. 140-152 (2003)

  • [文献書誌] P.Karataev, S.Araki, R.Hamatsu, H.Hayano, J.Urakawa et al.: "Grating optical diffraction radiation - Promising technique for non-invasive beam diagnostics"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 201. 201-211 (2003)

  • [文献書誌] Y.Honda et al.: "Achievement of Ultralow Emittance Beam in the Accelerator Test Facility Damping Ring"Physical Review Letters. 92. 054802-1-054802-5 (2004)

  • [文献書誌] 浦川順治, 浜津良輔, 武藤俊哉: "回折放射光による非破壊的ビーム診断"日本物理学会誌. 58. 611-615 (2003)

  • [文献書誌] 浦川順治: "電子ビームの非破壊測定法"日本物理学会講演概要集. 59巻1号. 116-116 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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