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2005 年度 実績報告書

量子電磁気学によるミューオン異常磁気能率の精密理論計算

研究課題

研究課題/領域番号 15540303
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

仁尾 真紀子  独立行政法人理化学研究所, 川合理論物理学研究室, 協力研究員 (80283927)

キーワード量子電磁気学 / 異常磁気能率 / ミューオン / 電子 / 自動化
研究概要

異常磁気能率に寄与する量子電磁気学的な寄与のうち、フェルミオンループのない項を計算するためのプログラムを自動生成する方法を開発、実装することに成功した。ミューオン異常磁気能率では、電子異常磁気能率との差にのみ関心があるので、この形のファイマン図は、通常、無視される。しかし、このタイプの低次のファイマン図形に真空偏極を挿入した図形の寄与は、フェルミオンループのない図から、簡単な拡張によって生成できる。また、電子の異常磁気能率の計算においては、まさにこのタイプの図を厳密に計算しなければならない。摂動10次では、このタイプのファイマン図は、全10次の図形のうち半分近くを占める6354個ある。しかもその一つ一つが複雑な紫外発散および赤外発散の構造をもっている。これはとても人の手では計算できない。そのため、この計算の過程をすべて自動化するプロジェクトを始めた。
このファイマン図では、図のすべての特徴を、光子とフェルミオンの頂点がフェルミオン線の上に並ぶ順序という、一行の情報から引き出すことができる。ここから、
(1)解析的な積分計算による被積分関数の生成
(2)ファイマン図の位相構造から被積分の構成要素を生成
(3)くりこみの処方に従って被積分関数と構成要素の紫外発散極限を生成
を自動的に行う。こうしてできた数値計算プログラムは、スーパーコンピュータシステムに移行し、即、数値計算ができるようになっている。
この自動生成コードを用いて生成した積分のうち、頂点関数のくりこみだけを含む2232個のファイマン図形に相当するものについては、すでに生産的な計算を行い、一定の精度に到達している。残りの図形は赤外発散を伴い扱いが難しい。そこで有限の光子質量を持たせることで数値計算を行うことで、問題を十分回避できることが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Improved α^4 Term of the Electron Anomalous Magnetic Moment2006

    • 著者名/発表者名
      T.Kinoshita, M.Nio
    • 雑誌名

      Physical Review D 73

      ページ: 013003

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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