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2004 年度 実績報告書

放射光核共鳴散乱によるナノマテリアルのスピン構造および電子・格子相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540308
研究機関京都大学

研究代表者

瀬戸 誠  京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (40243109)

研究分担者 小林 康浩  京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00303917)
北尾 真司  京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00314295)
キーワード核共鳴散乱 / 放射光 / ナノマテリアル / スピン構造 / 電子・格子相互 / 超微細相互作用
研究概要

放射光核共鳴散乱法では、メスバウアー分光法の場合と同じく、超微細相互作用をとおして電子系に関する情報を得ることが出来る。通常のメスバウアー分光法と比較して、コヒーレントな共鳴散乱現象を利用していることより、量子ワイヤー等の形状異方性の木きい系における内部磁場等の方向分布についての詳細な情報を得るのに適したものとなっている。また、ある特定元素の状態だけについての測定を行う事が可能であり、量子ドットやワイヤーの場合に、基板等の影響を排除することが出来る。さらに、放射光核共鳴散乱法では非弾性散乱の測定も可能であり、ワイヤー固有のフォノンに関する測定も可能である。
本研究では、磁性Fe量子ワイヤーに対して、その電子状態、特にそのスピン構造について調べることを目的として、放射光核共鳴散乱測定を行った。これに加えて、ワイヤーとバルクの状態のフォノンとの相違についても研究を行った。
その結果、ワイヤー方向に対するX線入射方向に依存してスペクトルが大幅に異なることが観測された。核共鳴散乱では、X線入射方向と共鳴励起を起こす原子核位置における内部磁場強度と方向とに依存してスペクトルが変化を示すことが知られている。内部磁場の方向は大きな異方性を示しており、その方向は量子ワイヤーの長手方向と一致しており、量子ワイヤー内の磁区における磁化方向が量子ワイヤーの方向と一致していることが確認されたといえる。よって、この方法により量子ワイヤーや量子ドット等のナノ磁性体における内部磁場やスピン方向に関する情報を得ることが可能であることが示されたと考えられる。また、フォノンについては、ワイヤー径に依存したフォノン状態密度変化が観測され、それらが非調和効果によるフォノン寿命の変化で説明できることが示された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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