電子線リソグラフィーと化学エッチングを用いて様々なサイズ、条件の単一量子リング構造および量子リング配列構造を作成した。このうち単一量子リング構造の電気伝導特性では磁場依存性より1.8KにおいてAharonov-Bohm振動を観測しリング構造を確認できた さらに周波数35-140GHzのマイクロ波印加の下で、伝導特性の磁場依存性変化を調べたところリングのサイズに依存した磁場位置で抵抗の増大ピークを観測できた。このピークは電子のサイクロトロン軌道がリング半径に一致した磁場位置に現れ、リングに局在した電子似寄るものであることを明らかにした。このことはリング局在電子と伝導に寄与する電子間の相互作用を示すものであり、基礎物理の面から興味深いものである。また新しいマイクロ波検出方法としての可能性も大きいことを示すものでもある。
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