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2003 年度 実績報告書

セリウム六硼化物における隠れた秩序と近藤効果への磁性イオン添加効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540345
研究機関広島大学

研究代表者

世良 正文  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40196978)

研究分担者 伊賀 文俊  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60192473)
藤 秀樹  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60295467)
キーワード軌道秩序 / 磁気秩序 / 多重極子秩序 / 多重極子相互作用 / f電子 / 近藤効果 / CeB_6 / NdB_6
研究概要

CeB_6は奇妙な反強四重極秩序を示す物質として有名であり,また,典型的な高濃度近藤物質としてもよく知られている。その近藤効果については,他の近藤効果を示すCe化合物同様,非磁性のLa添加系について詳細に研究されている。しかし,Ce以外の局在スピン(Rイオン)系の磁気秩序を示す物質中での近藤効果についての研究はほとんどなされておらず,新しいタイプの多体問題が出現する可能性もある。本研究ではCe_xNd_<1-x>B_6系において種々の測定を行い,下記のような成果を得た。
(1)高温の常磁性領域での電気抵抗は,Ce_xLa_<1-x>B_6と非常によく似た振る舞いを示し,不純物近藤効果的性質がよく保存されていることがわかった。
(2)低温では2つの磁気秩序が出現する。高温側ではNdがメインな引き金として起こる磁気秩序でありそこでは電気抵抗も大きく近藤状態は壊されていないことがわかった。また,低温側の磁気秩序では電気抵抗の大きな減少も見られCeがメインである磁気秩序であることがわかった。高温側の磁気秩序相では,Ceイオンもそれに関与しているにもかかわらず,近藤状態は保たれている,という奇妙な性質をもっている。低温での磁気秩序はCe_xLa_<1-x>B_6において磁気秩序が消滅するのと同じx〜0.3で消滅する。これは,CeのまわりがLaであろうとNdであろうとCe間相互作用は影響を受けていないことを示しており,非常に奇妙な現象である。
(3)CeB_6の磁気秩序はNd添加により容易に侵食されNdメインの磁気秩序がx<0.8で出現するが,反強四重極秩序およびオクトポール相互作用はNd添加によっても大きな影響を受けず,高磁場ではしぶとく生き残っている。これは,Ndイオンが常磁性状態にあればCe間多重極子相互作用は大きな影響を受けないことを意味していると思われる。
現在,Ce_xPr_<1-x>B_6系についての研究を進めており,Ce-Rイオン間の多重極子相互作用と近藤効果についての更なる情報が得られるものと考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Kobayashi et al.: "Kondo Effect in the Long-Range Antiferromagentic Ordered State -Ce_xNd_<1-x>B_6-"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. 25-28 (2003)

  • [文献書誌] S.Kobayashi et al.: "Appearance of the phase IV in Ce_xLa_<1-x>B_6 at x〜0.8"J.Phys.Soc.Jpn.. 72. 2947-2954 (2003)

  • [文献書誌] Y.Yoshino et al.: "Nd doping Effects on the Multipolar Interactions in CeB_6"J.Phys.Soc.Jpn.. 73. 29-32 (2004)

  • [文献書誌] M.Matsumura et al.: "^<75>As NQR/NMR Study of Successive Phase Transiitions and Energy Gap Formation in Kondo Semiconductor CeRhAs"J.Phys.Soc.Jpn.. 73. 1030-1033 (2003)

  • [文献書誌] M.Matsumura et al.: "Cu-NQR study for stripe ordering in La-based cuprate"Physica B. 329-333. 779-780 (2003)

  • [文献書誌] H.Tou et al.: "NMR studies of the electron-doped hafniumu nitride superconductors"Physica B. 329-333. 1323-1324 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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