研究課題
基盤研究(C)
通常のLTAよりAl含有量を減らしてSi/Al=1.5としたLTA型ゼオライトにカリウムを吸着させたものについて、そのフレームワークに含まれる^<27>Al核の立場から研究した。高周波数側へシフトする成分を含んだ非対称なNMRスペクトルを観測し、ケージ内の原子クラスターがフレームと相互作用をしている可能性を指摘した。結果は相関化合物国際会議(ISIC13)にて報告し、雑誌掲載された。研究期間後半では、フェリ磁性を示す系であるFAU型ゼオライトを対象とした。スーパーケージあたり7.1個のカリウムが吸着されたもの(フェリ磁性転移温度6K)では、ナイトシフトとみなせるシフト成分が^<23>Na核のNMRスペクトルに観測された。^<27>Al核にはシフト成分が観測されなかったことを考慮すると、磁性を示す電子の存在領域とフレームワークは分離していると予想される。以上の研究成果は、磁性国際会議(ICM2006)にて報告し、その内容は学術雑誌に論文として掲載された。一方、スーパーケージあたり9.0個程度吸蔵(飽和吸蔵)のFAU型(磁性転移なし)においては、数倍大きいシフトを示す成分が^<23>Na核に対して新たに観測され、^<27>Al核については高周波数側へシフトする成分を含んだ非対称なNMRスペクトルが観測されるようになった。クラスター内での相互作用が強まるとともに電子の存在範囲も広がり、磁性を担う電子の波動関数がSi/Al=1.5のLTA型の場合と同様にケージのフレームワークにまで達した結果であると解釈される。その結果は現在、投稿準備中である。なお、脱水したLTA型ゼオライトのスペクトル上でのT_2分布に関し、特にサテライト遷移に関して温度依存性に異常な振舞いを見出した。中心遷移と比較することにより、それが電揚勾配の系統的な揺らぎがによると思われることを指摘した。その結果は、学術雑誌に論文として掲載された。
すべて 2007 2006
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Chemical Physics Letters 436, 1-3
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