研究概要 |
本年度の結果は以下の4つである. 1.あるクラスの量子R行列について,表現空間が無限次元になる極限で因子化された明示公式を導いた.これにより箱玉系の量子化を定式化し,その時間発展の性質を調べた.この結果は学術誌に投稿され出版された. 2.箱玉系の一般のNソリトン解の予想を得た.それは結晶基底をもちいて構成される区分的線形式であり,Nが5以下では証明を得た. 3.反射壁のある箱玉系を定式化し,保存量,ソリトン,反射則,散乱則を導いた.特に可積分な反射則を与える組み合わせKを与えた. この結果は論文として投稿中である. 4.キリロフ・レシェテキン全単射が結晶基底におけるある操作と一致するという新しい予想を得た.またこれをD型にも拡張した. これは箱玉系とフェルミ型公式の関係についての大きな手がかりである.
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