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2003 年度 実績報告書

液晶で観測する1次元スピノーダル分解の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540371
研究機関岡山大学

研究代表者

長屋 智之  岡山大学, 工学部, 助教授 (00228058)

研究分担者 西川 亘  岡山大学, 工学部, 助手 (80243492)
奈良 重俊  岡山大学, 工学部, 教授 (60231495)
キーワード秩序形成動力学 / 液晶 / パターン形成 / スピノーダル分解
研究概要

1次元保存系のスピノーダル分解は,実験的な困難さ故に定量的な研究が行われていなかった。そこで,本研究では,ネマチック液晶のzigzag不安定性を利用して1次元保存系のスピノーダル分解に関する実験を行い,基礎的な知見を得ることを目的とした。
1 液晶のzigzag状の配向壁の角度が正の場合に1,負の場合に1をとるIsing秩序変数を定義し,この系の特徴的な長さであるIsingドメインの平均の大きさの時間発展を計測した。特徴的な長さは時間の対数に比例して増大し,理論で予測されている結果と一致した。
2 秩序変数の空間相関関数,そのフーリエ変換である構造関数,ドメインのサイズ分布関数を計測した。また,kinkの位置からkink-kink間の密度相関関数を計測した。これらの関数を特徴的な長さのスケールである平均のzigzag間距離でスケールすると,各時刻の実験データが一つのユニバーサルな曲線上にのり,この系の時間発展に動的スケール則があることが分かった。
3 消滅するzigzag対の距離の変化を観測したところ,対消滅の過程では,zigzagの頂点間に指数関数的な引力相互作用が存在することが推察された。
4 実験に対応する計算機シミュレーションを行い実験結果と比較した。シミュレーションにおいても特徴的な長さの対数的時間発展が存在することが分かった。また,相関関数のスケーリングを調べたところ,スケーリング領域に入る以前から,特徴的な長さのスケールは対数的時間発展を示すことが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 長屋智之, Jean-Marc Gilli: "液晶で見る1次元スピノーダル分解"固体物理. 38巻6号. 393-400 (2003)

  • [文献書誌] Tomoyuk NAGAYA, Jean-Marc GILLI: "Experimental Study of One dimensional Spinodal Decomposition in Liquid Crystals""Proceedings of the Slow Dynamics of Complex systems" edited by M.Tokuyama, American Institute of Physics Conference Proceeding. 8月(未定). (2004)

  • [文献書誌] Tomoyuk NAGAYA, Jean-Marc GILLI: "Experimental study of spinodal decomposition in a 1D conserved order parameter system"Physical Review Letters. (掲載決定 号は未定). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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