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昨年度分子動力学シミュレーションで臨界点近傍の超臨界流体水銀の静的・動的構造を調べ、非弾性x線散乱実験との比較検討により、分散関係や音速に関する知見を得た。また、液体カーボンの圧力誘起構造変化を第一原理分子動力学シミュレーションで調べ、興味ある結果を得た。これらの研究成果を、今年度開催された日本物理学会およびフランスで開催された12th International Conference on Liquid and Amorphous Metals(LAM12)で発表するとともに、論文を投稿中である。
今年度は、第一原理分子動力学シミュレーションを用いて液体リンおよび液体混合系の静的・動的構造と電子状態の研究を行った。(1)高温・高圧下の液体リンにおける非金属-金属転移とダイナミクスの関連について興味ある結果を得た。研究成果は日本物理学会およびフランスのLAM12で発表し、論文を投稿中である。また、(2)液体In_2Te_3合金における半導体-金属転移にともなう構造と電子状態の変化およびイオンのダイナミクスについて調べた。(3)溶融CuIにおける陽イオン(Cu^+)間の相関が異常に強い原因を電荷移動との関連で調べた。(4)液体Ge-Sn合金における相分離の傾向を静的・動的構造および拡散機構と関連付けて調べた。また、Maximally localized Wannier関数を計算し、局所的な共有結合の性質について調べた。(5)ナノ構造化グラファイト中の水素のダイナミクスについて調べ、水素の吸着・脱離のメカニズムについて知見を得た。これらの研究成果は、日本物理学会において発表するとともに、Journal of the Physical Society of Japan、Molecular Simulationなどの学術雑誌に論文を掲載した。
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