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2004 年度 実績報告書

多価イオンによるアルカリ金属原子からの電子捕獲過程に現れる共鳴現象の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15540382
研究機関新潟大学

研究代表者

島倉 紀之  新潟大学, 理学部, 教授 (40111314)

キーワード共鳴 / 電子捕獲 / 多価イオン / 量子論的緊密結合法 / 核波束
研究概要

1.(Be^<4+>,B^<3+>+Li,Na)衝突系に対し、大きな基底関数、改良した擬ポテンシャルを用いて電子状態、結合項の計算を行った。この中で(B^<3+>+Li,Na)衝突系が共鳴の観測に有望であることが判明したので、量子力学的緊密結合法により電荷移行断面積を求めた。断面積は100Å^2という大きな値になること、衝突エネルギーが〜60meVまで共鳴ピークが現れることがわかった。
2.入射イオンの電荷が大きいほどポテンシャルの井戸が深く,高い衝突エネルギーで共鳴が観測されると思っていたが、電荷が大きいと電子捕獲状態が高い励起状態になり、下にあるポテンシャル曲線によりポテンシャルの井戸が押し上げられ、浅くなってしまうことがわかった。
3.電荷が大きいと共鳴には不利なことがわかったので、(C^<2+>,C^<4+>,N^<3+>,N^<5+>+Li,Na,K)衝突系の中から(C^<2+>,N<3+>+Na)衝突系を選び、量子化学プログラムを用い、電子状態、結合項の計算を行った後、量子力学的緊密結合法を用いて断面積の計算を行った。始状態と擬交差する状態が数多く生じ、ポテンシャルの井戸が浅くなり、共鳴が現れるのが数meVのエネルギー領域であることがわかった。
4.これまでは入射イオンにより標的が分極されてできるポテンシャルの井戸に捕まる共鳴を考えてきた。そのような井戸に比べ、共有結合、イオン結合による井戸は、はるかに深い。そこで、H_2^+分子イオンのΣ_g,Σ_uの2つの状態を考え、これらが交差するようレーザー場をかけ、電子捕獲断面積を求めたところ、標的がアルカリ金属の場合に比べ10倍以上の衝突エネルギー(E>2 eV)で共鳴が観測されることがわかった。多チャンネル波束法、スペクトル法を用い、共鳴現象を可視化しメカニズムの解明を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Polarized ^3He^<2+> ion source based on spin-exchange collisions between ^3He^+ ion and polarized Rb atoms2005

    • 著者名/発表者名
      M.Tanaka
    • 雑誌名

      Nucl.Instrum.Methods Phys.Res. A 537

      ページ: 501-509

  • [雑誌論文] Electron capture processes ion low energy collisions of C^<4+> ions with excited H atoms2005

    • 著者名/発表者名
      N.Shimakura
    • 雑誌名

      J.Plasma Science and Fusion Research A 524(発表予定)

  • [雑誌論文] Production of polarized ^3He^<2+> ion by ECR ionizer2004

    • 著者名/発表者名
      M.Tanaka
    • 雑誌名

      Nucl.Instrum.Methods Phys.Res. A 524

      ページ: 46-59

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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