研究課題
基盤研究(C)
本研究は、異なる空間・時間スケールの領域を一貫して矛盾無く解くことを指向した新しいモデリングによる大規模計算機シミュレーション手法を開発し、プラズマ中に生起する構造遷移現象のダイナミクスを調べ、以下の知見を得た。1.2流体モデルによる自己組織化過程非線形、圧縮性Hall-MHD方程式に基づく2流体モデルコードを開発した。従来のMHDモデルと比較し、Hal1効果によって、ダブルベルトラーミ(DB)平衡の特徴である磁場に直交する方向のプラズマ流が形成されること、また、DB平衡にいたる自己組織化過程において、理論が予測する保存量の強圧性が検証された。2.流れをもつトーラスプラズマ中の構造形成流れをもつ高べータトーラスプラズマ中の緩和現象の機構を調べた。修正Grad-Shafranov方程式に基づく数値平衡、反転磁場配位の移送過程に伴うポロイダル流の自発形成、および反磁性回転を含む揚合のそれぞれについて、圧力駆動型不安定性を解析した。流れの存在により不安定モードが選択的に影響を受けることが明らかになった。また、大型ヘリカル装置(LHD)プラズマ中の圧力駆動型不安定性の成長を調べた結果、成長に伴い生成されるトロイダル流が、圧縮性とあいまって成長を抑制する事が明らかになった。3.球状トカマク(ST)における周辺局在モード(ELM)上記の具体例として、STのELMに適用した。その結果、バルーニングモードの非線形発展の様子が、ELMにおけるフィラメント構造の形成過程をよく再現し、またそれが反磁性効果による影響を考慮しても普遍的に記述できる事を明らかにした。4.適合格子法による複層構造形成過程高い空間解像度をもつコンパクト差分法に適合格子点手法を取り入れた計算機コードの開発を行った。この手法がMHDシミュレーションにも有効であることを確認した。
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