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2003 年度 実績報告書

低温ヘリウムガス中における多価イオンの衝突反応

研究課題

研究課題/領域番号 15540388
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

松尾 由賀利  独立行政法人理化学研究所, RIビーム科学研究室, 先任研究員 (50231593)

研究分担者 森脇 喜紀  富山大学, 理学部, 助教授 (90270470)
キーワードエキサイプレックス / 低温ヘリウムガス / レーザー誘起蛍光 / 増感蛍光 / イオン原子衝突 / レーザーアブレーション
研究概要

本研究の目的は、レーザーアブレーション法で低温ヘリウム気体(3-300K)中に原子イオンを拡散させ、1価および多価のイオンの衝突による電子状態の変化を、レーザー分光の手法を用いて調べることにより、低温での原子-イオン衝突相互作用ポテンシャルを研究することである。原子-原子間の相互作用ポテンシャルの研究において、ヘリウム原子と他原子との相互作用を表すペアポテンシャルは、最もよく調べられているものの一つであるが、低温ヘリウム原子と他原子の衝突については実験研究の例が少なく、また原子イオンとヘリウム原子の衝突に至っては、室温での研究においてすらデータが甚だ不十分である。そこで本年は、1電子系であるアルカリ土類イオンと低温ヘリウム原子との衝突により誘起された微細構造間の衝突遷移断面積の測定を行った。具体的には液体ヘリウムクライオスタットの上空の低温ヘリウム気体中でBa固体サンプルをレーザーアブレーションすることによりBa^+イオンを拡散させた後、色素レーザー励起により特定の電子準位に励起し、レーザー誘起蛍光(laser-induced fluorescence, LIF)と、周囲のヘリウム原子との衝突により他準位に移っていった先からの増感蛍光(sensitized fluorescence, SF)を同時に観測した。1電子系イオンは、高密度低温ヘリウムガス中ではレーザーで電子励起された後、周囲のヘリウム原子と結合してエキサイプレックスと呼ばれる励起分子(Ba^<+*>-He)を形成することがある。この励起分子はさらにヘリウム原子と衝突して再びBa^+イオンとヘリウム原子に解離する。レーザー励起後の励起分子からの発光、解離したBa^+イオンからの発光強度の比を観測することにより、励起分子の生成および解離断面積、励起分子の振動状態緩和断面積等についても、初めて詳細に求めることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Fukuyama, Y.Moriwaki, Y.Matsuo: "Laser-induced fluorescence spectra of Ba^<+*>-He exciplexes produced in cold He gas"Phys.Rev.A. in press. (2004)

  • [文献書誌] N.Yonekura, T.Nakajima, Y.Matsuo, T.Kobayashi, Y.Fukuyama: "Electron-spin polarization of photoions produced through photoionization from the laser-excited triplet state of Sr"J.Chem.Phys.. 120. 1806-1812 (2004)

  • [文献書誌] T.Nakajima, N.Yonekura, Y.Matsuo, T.Kobayashi, Y.Fukuyama: "Simultaneous production of spin-polarized ions/electrons based on two-photon ionization of laser-ablated metallic atoms"Appl.Phys.Lett.. 83. 2103-2105 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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