研究課題
基盤研究(C)
本年度は本研究計画の最終年度であったが様々な継続課題を残した1年であった。まず、粉体ガスの地上実験に向けてのデザインと自由冷却に関するシミュレーションの論文や、クーロン摩擦のあるランジュバン方程式の数学的性質を調べた論文を書いたものの中途半端な格好であった。この2月に東京大学のグループと共同で、微小重力下で実際に粉体ガスの実験を行っており、そのデータ解析と対応するシミュレーション、理論解析を急いでいる段階である。次に粉体ガスに剪断を加えた場合のレオロジーについては気体分子運動論に基づく理論解析と粒子シミュレーションの結果が定量的に一致しており、大きな成果となった。この内容については投稿前の最終段階である。更に航空機実験に併せた仕様にしてシミュレーションや解析を行う必要がある。また散逸のない非平衡気体論については非平衡容器と平衡容器を接続した際の圧力や温度ギャップについて分子シミュレーションと境界層解析に基づき定量的に説明することに成功した。この成功によって一部で大々的に宣伝されていた非平衡定常熱力学の命脈は尽きた。現在は平衡容器を管で繋いだ際の管長依存性を調べている。更に2レーン非対称単純排他過程(ASEP)に関しては渋滞・非渋滞を分ける界面が同期することを理論的、数値的に示した。現在は1レーンASEPの各サイトで出入りできる場合にどのような界面のトラップがあるかが明らかになりつつある。また粉体流のパワースペクトルを説明する論文も発表している。そこでは従来実験的に知られていた-4/3のべきを持つパワースペクトルの発生原因をドメインの崩壊と伝播によって説明した。また粉体1個の衝突、接触過程についても研究が進んでいる。2次元系での接触問題や準静的衝突はほぼ解決したと言って良い。現在は3次元問題を研究している。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (16件)
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