研究課題
深宇宙探査衛星に搭載されるフラックスゲート磁力計のセンサの広範囲温度実験は+200℃から-160℃までの温度制御を行なった。また、フラックスゲート磁力計を利用して、衛星搭載部品や衛星本体の磁気モーメント量を高速計測する磁気試験は、開発した磁気モーメント計測装置を用いてデータ取得を行なった。1.温度試験室温から-160℃までの低温部の温度制御装置を製作した。微弱磁場センサのため、磁気遮蔽ケースを利用し、低温度は液体窒素の還流で実現した。材質組成の異なるセンサボビンでセンサコアを複数個製作し、低温度試験を行った。2種類のセンサの感度、ドリフト、オフセット、雑音のデータを得た。また、搭載衛星であるBepiColomboのフライトモデルと同じセンサのコイル巻数や励磁周波数を一致させた実験データも取得した。その結果、感度については高温と低温側では変化の様子が異なり、温度が室温から変化すると共に感度が高くなる傾向が認められた。雑音は室温から高温までは殆ど不変で-30℃以下になると増えることが確認された。このほかオフセットドリフトや消費電流の温度による特性もデータが得られた。2.衛星部品の磁気モーメント計測衛星のフライト品の実測および衛星本体の帯磁量を計測し、従来のEMC磁気試験との比較を行った結果、遮蔽室内では機器の持つ磁気モーメントが0.001Am^2の精度で計測できることを実証し、磁場変動が大きな場所での計測でも、0.01Am^2の精度での計測が可能であることを示した。また科学衛星のフライト機器を計測し、0.001Am^2の精度で再現性のある良好な結果を得た。計測と解析には1点の計測あたり2名が約2分で計測解析が出来るが、これまでは4名で30分を要したのに比べると、人員と時間の大幅な能率化が証明できた。衛星全体をクリーンルーム内で残留磁気を計測した結果については0.1Am^2以上の精度で測定できた。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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宇宙科学連合講演会論文集 第49回
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地球惑星科学関連学会合同大会予稿集 2005年
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