研究課題
基盤研究(C)
地球温暖化に関して大気-海洋間の二酸化炭素の交換に関心が集まっている。従来、大気-海洋間の二酸化炭素取り込み過程はフラックスのスナップショット的な解析が主流である。しかしながら取り込まれた二酸化炭素フラックスは直接海洋中の全炭酸に反映し、さらに二酸化炭素分圧に影響を与え、結果としてフラックスに反映する。このように大気-海洋間の二酸化炭素交換はフィードバック過程を形成していると考えられる。そこで本研究では1)「二酸化炭素交換モデル」による交換係数の評価とフラックス、全炭酸の変動の時系列解析、2)海水中の全炭酸を大気-海洋間の交換によるものと海水交換時(流れ、湧昇流、生物活動)によるものに分け両者の変動を解析する「全炭酸モデル」の二つのモデルにより大気-海洋間の交換過程の解析を行った。これらのモデルから既存の大気-海洋間の二酸化炭素交換係数の評価と全炭酸の時系列による変動特性を解析した。この結果、交換係数は風速が7m/s〜15m/s付近ではTnasの算出モデルを除いて大差がないことが確認された。また、東部北太平洋(Station Papa)における観測データを用い、全炭酸の時系列変動特性の解析を行い、この地点における全炭酸の変動要因は主として大気からのフラックスが寄与していることを定量的に明らかにした。地球全体では海洋の全炭酸の変動要因として大気・海洋間のフラックスによる分と、海水変動による分ではおよそ2(μmol/kg/month)の差が生じることがわかり、北半球では海水交換が南半球では二酸化炭素フラックスによる分が卓越していた。また、海域別では、北大西洋において海水交換、二酸化炭素フラックスによる影響分とも大きくその値は月当たりおおよそ50(μmol/kg/month)、北太平洋、インド洋北部海域では同様に30〜35(μmol/kg/month)程度の値である事がわかった。その他の海域では10〜20(μmol/kg/month)の値であった。
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海洋理工学会誌 (印刷中)
月刊海洋 32
ページ: 69-77
General Assembly of the International Union of Geodesy and Geophysics (IUGG) abstract Week A
ページ: A62
Gekkan Kaiyo Vol32
General Assembly of the International Union of Geodesy and Geophysics(IUGG) abstract, week A