研究課題
サブストーム発生に至る基本的プロセスである磁気圏対流をさらに研究した結果、対流システムの構造を理解することは、サブストーム[Akasofu,1964]や磁気嵐などの擾乱現象だけでなく、SC(sudden commencement)やテーラーオーロラのような一見独立した現象を理解する上でも、不可欠な基本的要素であることが認識された。即ち、"磁気圏と電離圏からなる複合系は、全く異なった性質を持ち、沿磁力線電流を介してお互いの運動を認識する系であり、それが太陽風の変動に対してどのように自己無撞着性を維持・回復するかを解明することが、磁気圏物理学の主要課題である"と結論された。ここでは総てが自己無撞着な状態を考察する必要があり、また対流はトポロジーを持った系での現象で、宇宙に普遍的な物理則というより、トポロジーのあるシステムを扱うのが地球惑星科学の本質との見解に至った。物理学では、より基本的な要素に分解することが重要であり、普遍的原理から現象を説明することを発見と呼ぶのに対し、地球惑星科学では形(トポロジー)の効果が重大であり、分解により本質が失われてしまい、したがって複雑なものを複雑なまま扱うのが地球惑星科学であって、この点を強調して複合系の物理学という呼称で、この学問体系を位置づけた。
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Multiscale coupling of Sun-Earth processes (in press)
Earth Planets Space 56
ページ: 463
J.Geophys.Res., 109, A01206, doi: 10.1029/2003JA010094 109
J.Geophys.Res., 109, A01215, doi: 10.1029/2003JA009944 109
J.Geophys.Res., 109, A03204, doi: 10.1029/2003JA010287 109
J.Geophys, Res, 109, A09201, doi: 10.1029/2003JA010271 109