研究概要 |
平成15年度中は,新潟県北蒲原郡と長野県北部戸隠村付近における野外地質調査を実施し,またOcean Drilling Program Leg 186の放散虫化石分析と珪藻化石分析の成果を2編の論文にまとめ,国際誌に公表した。 新潟県北蒲原郡における現地調査は2003年10月17日から23日まで実施した。調査地域には前期中新世から鮮新世の時に及ぶ新第三系が広く分布し,調査対象は釜杭層,下関層,内側層,鍬江層である。このうちとくに中期中新世から後期中新世にかけての下関層・内須川層についてルートマップの作成,柱状圏の作成,放散虫・珪藻分析用のサンプリングなどの詳細な調査を行った。 2003年12月2日から5日までは長野県戸隠村付近で現地調査を実施した。調査対象は後期中新世から鮮新世にかけての論地層,高府層,荻久保層,猿丸層である。これらの地層中のとくに泥質岩についてルート調査と露頭調査,放散虫・珪藻用のサンプリングを行った。いずれの調査でも持ち帰った試料については実験室で処理を進めており,今後群集解析や化石年代の決定,古環境変動の解析を行う予定である。 本山と丸山は深海掘削計画第186次航海研究に陸上研究者として参画していたが,それより放散虫層序と珪藻層序の直接的対応関係や生物イベントの年代値の見積もりなどを行った。これらの分析結果はThe Island Arc誌に投稿し,公表された。
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