研究課題/領域番号 |
15540474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
豊田 浩孝 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70207653)
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研究分担者 |
菅井 秀郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005517)
石島 達夫 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00324450)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | フロロカーボン / 選択エッチング / 酸化シリコン / ビーム実験 |
研究概要 |
フロロカーボンブラズマを用いたSiO_2/Si選択エッチングは半導体製造における基本的なプロセスのひとつである。従来、フロロカーボンプラズマエッチングにおいてはフロロカーボン分子は表面反応に寄与しないと考えられてきた。しかし、近年のプロセスガス研究の発展に伴い、C_5F_8等の新規フロロカーボンガスがエッチングに供されるようになっている。C_5F_8分子はその分子構造に炭素の二重結合を持っているなど、従来のフロロカーボン分子と異なった複雑な構造をもつ。我々は、このような分子はそのものが表面反応に寄与できるのではないかと考え、本研究に着手した。 まず、SiO_2表面にAr^+を照射して表面欠陥を形成した場合と形成しない場合において、その後のC_5F_8表面吸着を調べた。その結果、C_5F_8の表面反応は表面に形成された未結合手によりC_5F_8の二重結合が開裂することによって反応が進行したものと推測された。また、Ar^+とC_5F_8をSiO_2表面に同時照射しその反応性を調べたところ、CF_4やC_4F_8等の従来用いられているフロロカーボンガス分子に較べてC_5F_8は高い表面反応性を示し、エッチング収率もAr^+による物理スパッタと比較して3倍近い値となることを実験的に示した。C_5F_8/Ar^+フラックス比の増加時におけるエッチング停止を見出し、これが表面へのフロロカーボン相形成によるものであることを確認した。さらに、SiO_2およびSiエッチングイールドの比較から、Ar^+/C_5F_8照射によるSiO_2/Si選択エッチングも可能であることを示した。最後に、本実験より得られたエッチングイールド値を用いて、実実験条件におけるフロロカーボン分子のエッチングへの寄与を評価したところ、その寄与は最大で30%近くになることを見出し、フロロカーボンエッチング表面反応に関する従来にない新たな知見を得ることができた。
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