研究課題/領域番号 |
15540475
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
清水 徹 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60196524)
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研究分担者 |
近藤 光志 愛媛大学, 工学部, 助手 (30304653)
鵜飼 正行 愛媛大学, 工学部, 教授 (10036444)
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キーワード | plasma / fast magnetic reconnection / MHD simulation / hall effect / adiabatic expansion acceleration / fast shock |
研究概要 |
まず、一成分磁気流体力学(MHD)シミュレーションにより高速磁気再結合過程におけるプラズモイド圧縮加熱の様子とスロー衝撃波および断熱膨張によるプラズマ加速機構の関係をしらべた。昨年までの研究により、上流磁場領域のベータ値が0.5以上の場合、スロー衝撃波により生じる再結合ジェットは亜音速となり、ゆえにプラズモイド前面にはファースト衝撃波は現れない。そのとき、再結合ジェットは亜音速断熱膨張加速により二次的加速を受ける。 一方、上流磁場領域のベータ値が0.5以下の場合、再結合ジェットは超音速となり、ゆえにプラズモイド前面にはファースト衝撃波は現れる。そのとき、再結合ジェットは超音速断熱膨張加速により二次的加速を受けることがわかっている。これらはいずれも開領域境界条件においておこなわれた。 これを踏まえて、本年度は、太陽フレアにおいてすでに観測されているループトップ加熱現象との対比をおこなうため、閉領域境界条件として、つまり、高速磁気再結合過程により生じたプラズモイドがジェット下流に堆積する場合のプラズマ圧縮加熱について調べた。結果として、閉領域境界条件では開領域境界条件のときよりも全般にプラズマ圧縮が上昇したが、超音速断熱膨張加速の場合はファースト衝撃波におけるプラズマ圧縮加熱が正のフィードバックにより著しく強められ、しかもその圧縮加熱領域がブロードに広がる傾向があるのに対し、亜音速断熱膨張加速の場合は負のフィードバックによりプラズマ圧縮加熱が弱められ、しかもその領域がプラズモイド前面に強く局在化することがわかった。 つぎに、ホールMHDシミュレーションにより開領域境界条件における高速磁気再結合過程を調べた。従来から粒子コード、ハイブリッドコード等において磁気中性点付近の磁場が電流方向にねじれる効果が知られているが、これはホールMHDでも現れる。ただし、断熱膨張加速領域ではその効果は弱い。そして、プラズモイド周辺では再び同様な効果が現れるが、超音速の場合においてさえも、その磁場のねじれ効果は磁気中性点付近よりも弱いことがわかった。これは高速磁気再結合過程における電流強度分布からも予想されることであるが、今後は閉領域境界条件における同様なシミュレーションを実施し、それを踏まえてホール効果の強く現れる領域においてさらにミクロなプラズマの振る舞いを解くために階層的シミュレーションコードを適用する予定である。
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