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2003 年度 実績報告書

代替パーフルオロカーボン中で生成する有害物質の高感度検出

研究課題

研究課題/領域番号 15540476
研究機関九州大学

研究代表者

古屋 謙治  九州大学, 総合理工学研究院, 助手 (70229128)

キーワードパーフルオロカーボンプラズマ / SiO2エッチングプロセス / CF4検出 / 質量分析 / CF4生成機構 / CF3の2価イオン
研究概要

LSIプロセスにおける地球温暖化ガス削減を目的として、代替パーフルオロカーボン(代替PFC)の開発や非PFCプロセスが盛んに検討されている。しかしその一方で、代替PFCプラズマプロセスではCF_4のような高い地球温暖化能力を有するガスが、非PFCプロセスではCN系化合物のような有害物質が再合成されてしまうという新たな問題を生じている。本研究ではこのような有害物質の生成機構を研究し、さらに、エッチングプロセスに影響を及ぼさずに有害物質の発生を抑制する方法を探索することを目的としている。今年度は、まず、PFCプラズマプロセスで再合成されるCF_4の生成機構について研究を行った。プラズマ中でCF_4を選択的かつ定量的に分析する方法として、質量分析法でCF_3^<2+>イオンを利用できることを検証した。この2価イオンは他の安定なPFC化合物からは生成しないことがこれまでの研究で知られている。PFCプラズマ中に多量に存在するCF_3ラジカルのイオン化でこの2価イオンが生成するかどうかを確認するために、CF_3Iを熱分解することでCF_3ラジカルを多量に発生させ、その質量スペクトルを測定した。その結果、CF_3ラジカルのイオン化でもCF_3^<2+>イオンの生成は無視できることが明らかとなった。以上のことから、CF_3^<2+>イオンはCF_4の定量分析に利用できることが判明した。この手法を用いて、PFCプラズマプロセス下流におけるCF_4の生成量をプラズマ中でのそれと比較したところ、25%(c-C_4F_8)から69%(CF_4)の増加が観測された。この事実は、PFCプラズマ中のみならず、その下流においてもCF_4の生成が進行していることを示しており、エッチングプロセスにあまり影響を与えずにプラズマプロセス中でCF_4の生成を抑制することが原理的には可能であることを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kenji Furuya, Yoshihiko Hatano: "Quantitative Analysis of CF_4 Produced in the SiO_2 Etching Process Using c-C_4F_8, C_3F_8, and C_2F_6 Plasmas by In Situ Mass Spectrometry"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.43・No.1. 342-346 (2004)

  • [文献書誌] 古屋 謙治: "ドライエッチング過程で再合成される有害物質の生成機構に関する研究"新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託「電子デバイス製造プロセスで使用するエッチングガスの代替ガス・システム及び代替プロセスの研究開発」成果報告書(技術研究組合 超先端電子技術開発機構(ASET)). (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 古屋 謙治, 籏野 嘉彦: "c-C_4F_8、C_3F_8、およびC_2F_6プラズマを用いたSiO_2エッチングプロセスで生成したCF_4のIn Situ質量分析法による定量分析"九州大学中央分析センター報告. 21号. 33-41 (2003)

  • [文献書誌] Kenji Furuya, Yoshihiko Hatano: "Quantitative Analysis of CF_4 Produced in the SiO_2 Etching Process Using c-C_4F_8, C_3F_8, and C_2F_6 Plasmas by In Situ Mass Spectrometry"Atomic Collision Research in Japan. Vol.29. 1-2 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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