研究課題
トカマクにおける電子サイクロトロン放射(ECE)は通常磁場の弱いトーラスの外側から観測し、電子温度分布(Te(r))を得ている。2倍高調波を観測する事によりTe(r)の時間変化が得られる事が特長である。Teが高くなると相対論的効果により、その特長が損なわれ、Te>20keVでは3倍高調波の相対論的効果が2倍高調波に影響を与え、Te(0)が測定できなくなる。数値解析により、観測方向を変えることによりその対策を示すことが本研究の目的である。まず磁場に斜めに伝搬する場合について、電子が球対称Maxwell分布の放射率を導出した。これは磁場に対して直交に伝搬する場合のTrubnikovの式の拡張である。これを用い伝搬方向を3次元的にスキャンした。Te・25keVでは、水平面から斜めに観測する視線において、Te(0)が測定できることが分かった。しかし、Te>25keVでは、2倍高調波をあらゆる方向から観測しても、従来の一つの放射輝度データから単純に電子温度を導出する方法では、相対論的効果の影響を完全に減じることはできず、光学長を求め、それを用いてTe(0)を導出する方法が必要であることが分かった。LHD装置について、磁場の最大位置が磁気軸の内側、中心、外側に位置する3種類のプラズマ配位に対して、相対論的効果の電子温度測定への影響を評価した。数値解析結果から、一般性のある「磁気軸が磁場の最大位置の手前に来る視線であれば、Te(0)が測定できる」の結論を得た。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
Proc.13th Joint Workshop on ECE and ECRH
ページ: 89
Proc.32nd EPS Conference on Plasma Physics
ページ: P4.096