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2003 年度 実績報告書

光触媒を用いる有機環境汚染物質の新しい分解法の開発-光触媒・多重光励起法-

研究課題

研究課題/領域番号 15550013
研究機関大阪大学

研究代表者

藤乗 幸子  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50197844)

キーワード光触媒 / レーザーフラッシュフォトリシス / 二酸化チタン / ヒドロキシルラジカル / 一電子酸化 / ラジカルカチオン / 分解
研究概要

平成15年度、TiO2光触媒反応における重要な初期過程である一電子酸化反応機構の詳細を明らかにした。TiO2光励起により進行する一電子酸化過程を芳香族スルフィドラジカルカチオンの生成により検討した。TiO2コロイド水溶液においては、TiO2光励起による芳香族スルフィドラジカルカチオンの生成は基質の濃度に依存した。高濃度領域では、レーザーパルス内でのTiO2ホールによる直接酸化が、低濃度領域ではレーザー照射後数マイクロ秒の時間領域でフリーなOHラジカルによる一電子酸化が進行することを明らかにした。TiO2光励起で生成するOHラジカルによる基質の一電子酸化kineticsは、パルスラジオリシス法により生成させたフリーなOHラジカルの一電子酸化kineticsに一致した。TiO2光励起で生成するフリーOHラジカルによる有機化合物の酸化過程を直接観測することに成功した。また平成15年度、TiO2粉末表面での一電子酸化過程を明らかにすることを目的として、拡散反射型過渡吸収測定システムを構築した。吸着サイトとしてカルボキシル基あるいはヒドロキシル基を有する芳香族スルフィドではレーザーパルス内でのTiO2ホールによる直接一電子酸化過程が進行し、効率的なラジカルカチオンの生成が観測された。基質濃度の増加に伴い、ラジカルカチオンの生成は著しく増加した。基質吸着量の測定から、生成するラジカルカチオンの濃度は基質吸着量と良い相関関係を示すことを明らかにした。基質の直接一電子酸化過程では基質のTiO2への吸着過程が大きく影響することを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takashi Tachikawa, Sachiko Tojo, Mamoru Fujitsuka, Tetsuro Majima: "One-electron oxidation of aromatic sulfides adsorbed on the surface of TiO_2 particles studied by time-resolved diffuse reflectance spectroscopy"Chem.Phys Lett.. 382. 618-625 (2003)

  • [文献書誌] Sachiko Tojo, Takashi Tachikawa, Mamoru Fujitsuka, Tetsuro Majima: "Oxidation processes of aromatic sulfides by hydroxyl radicals in colloidal solution of TiO_2 during pulse radiolysis"Chem.Phys.Lett.. 384. 312-316 (2004)

  • [文献書誌] Sachiko Tojo, Takashi Tachikawa, Mamoru Fujitsuka, Tetsuro Majima: "Direct observation of oxidation processes of aromatic sulfides in TiO_2 colloidal solution by laser flash photolysis"Phys.Chem.Chem.Phys.. 6/5. 960-964 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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