研究概要 |
活性官能基を持った1,3-セレナゾールおよび1,3-セレナジンの新規合成 我々が報告した高い生理活性を持つ4-ヒドロキシ-1,3-セレナジンはヒドロキシ基を持っているが、そのヒドロキシ基をセレナジンから外すと生理活性は全くなかった。置換基としてヒドロキシ基を持つことにその活性に重要なポイントであると考える。セレンを含むヘテロ環化合物についての報告は少ないが、水酸基、カルボニル基、カクボキシル基、アミノ基等の活性基を付与した新しい含セレンヘテロ環の合成を目指した。 N,N-無置換セレノ尿素をセレナアザジエンに変換し、そのジエンとα-クロロアセチルクロリドとの反応から2位にアミノ基さらに4位にカルボニル基を持った1,3-セレナジンである1,3-セレナゾール-5-カルボン酸およびその誘導体の新規合成に成功した。その反応について詳細に検討し、その成果について論文に報告した。その化合物の生理活性についは今後検討の予定である。また、N,N'-置換セレノ尿素とα,β-不飽和カルボン酸クロリドとの反応を検討し、同様に、2位にアミノ基さらに4位にカルボニル基を持った1,3-セレナジン-4-オンの合成について検討し、その成果を論文に報告の予定である。また、我々の既報の方法で合成した1,3-セレナゾール-4-オンは細胞(BV-2 Cell)の酸化窒素に対し、また酸化窒素の生成に対しての抑制効果があることも分った。その他、新規ヘテロ環化合物の合成とその特性に関しての研究を継続中である。(申請研究は継続中)
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