研究課題
基盤研究(C)
本申請者がこれまでに開発してきた生理活性物質の合成法と次世代ナノ医療材料のキー化合物として期待されている「フラロデンドリマー」の化学とを融合した高度な機能をもつ医薬品への応用を指向した新規有機物質群を創製することを目指し、本研究を行ってきた。すなわち、まず申請者が長年行ってきた(1)生理活性物質の合成を行う。次に(2)フラロデンドリマーとそれらの生理活性物質を接合させる。最後に(3)合成されたフラロデンドリマー骨格を有する有機物質群について、各種生理活性機能の探索を行う。プロセス(1)において、申請者が得意とするダルチェン縮合(塩基存在下、各種アルデヒドとジクロロ酢酸エステルとの反応によるクロログリシッド酸エステルの合成)を出発反応に用いて、抗がん活性や抗菌作用が期待される含酸素環状化合物の合成を行った。この研究途上、α-クロログリシッド酸エステルを塩化マグネシウムで処理するとα-ヒドロキシブテノリドが簡便に得られる新合成法を開発した。この反応を用いて、摂食阻害作用を有する3-DPAラクトンを新規に合成した。また、α-クロログリシッド酸エステル(1)をPh3Pで処理すると3-クロロー2-ケトエステル(2)が収率よく得られることを見いだした。更に、エステル1を酢酸カリウムで処理すると2-アセトキシー3-ケトエステル(3)が得られる新反応を見いだした。この反応を用いて、ある種のカビから得られた天然物(-)-ベルコサピロンA(4)の全合成に成功し、絶対立体配置も明らかにした。このものの生理活性は未知であるが、植物生長促進作用を示すペスタロチンと類似の構造をしており、種々の生理活性が期待される。今後、合成したこれらの有機物質群とフラロデンドリマーとを結合させ、様々の生理活性試験を行い、新たな活性の探索を行う。一方、アセトニドで保護したエステル1からピロン誘導体の新合成法を開発した。本研究中、多くの成果を挙げることができ、内外の査読付き学術雑誌に13編の論文を発表することができた。
すべて 2007 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (28件)
2. Synth. Commun. 2007, 37 37(in press)
Synth. Commun. 37
ページ: 531
Synthetic Commun. 37
ページ: 531-534
Synth. Commun. 27(in press)
Synth. Commun 36
ページ: 265
Synlett 2006
ページ: 124
Synthesi 2006
ページ: 1405
ページ: 1767
ページ: 2621
Synthesis 2006
ページ: 4115
Heterocycle 68
ページ: 1451
ページ: 1925
Heterocycles 68
ページ: 1451-1454
ページ: 1925-1930
Synlett
ページ: 124-126
Synthesis
ページ: 1405-1407
ページ: 1767-1770
ページ: 4115-4117
Tetrahedron 61
ページ: 2541
Heterocycles 66
ページ: 147
ページ: 503
ページ: 6541-2547
ページ: 147-151
ページ: 503-509
Tetrahedron Lett 45
ページ: 6299
Tetrahedron Lett 46
ページ: 6299-6301