研究概要 |
超機能を求める当研究の方法論は基本的な機能を材料として組み合わせて,材料として使う基本的な機能とは異なる有用な機能を発現させることにある。先ず,応答性化学発光系としては,発光能を持つイミダゾールと,金属取り込み能を組み合わせて金属を導入したとき,コンホーメーション変化させることで発光高効率の変化する化学発光系を造った.金属として亜鉛を導入すると,金属を入れないときの約20倍の効率に達することを確認し,この金属応答性について報告した。 金属取り込み能としてベンゾクラウンを化学発光能としてイミダゾールを組み合わせた応答性化学発光系に今挑戦して,その合成に辿り着いたところである。さらにポルフィリン環の特性生かし,金属をかますなどして化学発のコントロールが可能となる出来るものもものにしたいと考えている。これとは反対の電子受容体として特殊な構造を持つアアゼピニウムカチオンも合成することに成功し報告した。 ユロリジル基とルテノセンを組み合わせた電子供与体と光子受容体であるシアニン色素を組み合わせ近赤外に感応する光合成系,や光重合系を構築したいと考えている。 そこで近赤外光増感重合の増感剤の増感効率を上げるための新しい方法論を模索し,シアニン色素と電子供与体を共役系で結ぶと,可視部から近赤外部に高い感度を持つ光重合系が実現することを明らかにしている.さらに,我々の開発した高い電位供与能を持つユロリジルルテノセンを組み合わせた時,どうなるか興味深いところである。 それに必要なルテノセンの合成それのホルミル化の段階に来ている。今後この新しい電子供与体,電子受容体の酸化電位を感度良く測定する必要があるが,サイクリックボルタンメトリーのバージョンアップを科研費により実現させた。
|