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2004 年度 実績報告書

ポリイン-クムレン共鳴スペーサーを有する複核錯体の混合原子価状態

研究課題

研究課題/領域番号 15550052
研究機関長崎大学

研究代表者

星野 由雅  長崎大学, 教育学部, 助教授 (50219177)

研究分担者 湯川 靖彦  新潟大学, 自然科学系, 教授 (50200861)
キーワード混合原始錯体 / ポリイン / 電子スピン共鳴スペクトル / オキサラト錯体 / ルテニウム錯体 / β-ジケトン錯体 / 磁化率 / 分光電気化学
研究概要

1.炭素三重結合ユニット(ポリイン共役系スペーサーC_n)で繋がれたβ-ジケトナトルテニウム(III)複核錯体のジクロロメタン中における電子スピン共鳴スペクトルの測定から,次のことが明らかになった。
(1)C_4で繋がれた複核錯体は,4Kに加え110Kの温度においても,ハーフフィールドシグナルを示し,ルテニウム上のスピンが三重項状態にあることがわかった。
(2)C_6で繋がれた複核錯体は4Kでハーフフィールドシグナルを示したが,C_8で繋がれた複核錯体は示さなかった。
2.低温での分光電気化学測定用セルを製作し,223Kで紫外・可視・近赤外領域の測定を行った結果,次のことが明らかになった。
(1)ジクロロメタン溶液中,C_6およびC_8で繋がれたβ-ジケトナトルテニウム(III)複核錯体の一電子酸化体は,C_4で繋がれた複核錯体と同様,近赤外領域に原子価間遷移(IVCT)帯を示した。三重結合の数が増すにつれて,その吸収極大波数は高波数側へシフトし,吸収強度は減少した。
3.スペーサーを全く含まないオキサラト架橋異核四核錯体,TBA[M^<II>{(μ-ox)Ru^<III>(acac)_2}_3](TBA^+=テトラブチルアンモニウムイオン;M=Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn ; ox^<2->=オキサラトイオン;acac^-=アセチルアセトネートイオン)を合成し,磁化率の温度依存性を調べた。その結果,中心がマンガン,鉄,銅の錯体50K以下で強磁性的,ニッケルとコバルトの錯体はフェリ磁性の挙動を示した。
4.同じくスペーサーを全く含まないテトラアセチルエタネート(ビスアセチルアセトネート)で架橋したルテニウム(III)複核を数種類合成した。分光電気化学測定によりこれらの一電子酸化体の近赤外領域の吸収を調べたが,IVCT帯を検出することはできなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Changing Mixed-Valence State of Hexacobalt Cluster by Substituting Central Metal Ion and by Electrochemical Reduction.2005

    • 著者名/発表者名
      Takashi Komiyama
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 34(3)

      ページ: 300-301

  • [雑誌論文] Synthesis, Characterization, and Detailed Electrochemistry of Binuclear Ruthenium(III) Complexes Birdeed by Bisacetylacetonate.2004

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Koiwa
    • 雑誌名

      Inorganic Chemistry 43(20)

      ページ: 6215-6223

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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