研究課題/領域番号 |
15550086
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
前川 博史 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70283041)
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研究分担者 |
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80313568)
西口 郁三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20026347)
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キーワード | 第四級アンモニウム塩 / 酸化還元反応 / 光学活性第四級アンモニウム塩 / 不斉陽極酸化反応 / (D)-カンファースルホン酸 / エノールエステル / カーバメート類 |
研究概要 |
本研究では種々の官能基を導入して機能を持たせた第四級アンモニウム塩を合成し、その機能を発揮できる反応系の開発を行い、新規な有機合成法として提供することを目的としている。本年度は光学活性第四級アンモニウム塩を用いる不斉陽極酸化反応の検討を重点的に行った。研究代表者らの研究室では既に新規光学活性第四級アンモニウム塩として(D)-カンファースルホン酸テトラエチルアンモニウムの合成に成功し、エノールエステル類の陽極酸化反応による不斉誘導反応の開発に成功している。そこで既に容易に陽極酸化反応が進行することが知られている脂肪族アミン類のカーバメート類を新たに取り上げ、不斉誘導反応の検討を行った。その結果、ピロリジンのカーバメートのメトキシ化反応において最高60%e.e.で不斉誘導が起こることを見いだした。本反応では電流密度が不斉誘導率に大きく影響し、電流密度が低い場合に良好な結果を与えた。また、興味深いことに支持電解質量は1当量程度がよく、必ずしも多ければ良いわけではないことが判明した。このことは基質のカチオンラジカル種と支持電解質の1:1のイオン対の形成を大きく示唆するものであると考えられる。さらに溶媒についてはエノールエステル類の陽極酸化反応の反応条件と大きく異なり、テトラヒドロフランを含まないアセトニトリル:メタノール(9:1)が最も良く、また反応温度は-78度の低温条件が望ましいことも明らかになった。通電量については流した電気量が増えるに連れて収率は低下し、一方で不斉収率は増大することがわかった。このことは本反応の反応機構及び反応過程を考察するうえで極めて重要な知見であると考えている。現時点では収率の点で合成反応として問題があるが、不斉支持塩を用いた陽極酸化反応として初めて60%e.e.の不斉誘導が実現できることを示したことから今後の不斉収率の向上が期待できる。
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