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2003 年度 実績報告書

新規な含イオウ活性種を鍵とする炭素-炭素結合形成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15550088
研究機関岐阜大学

研究代表者

村井 利昭  岐阜大学, 工学部, 教授 (70166239)

研究分担者 芝原 文利  岐阜大学, 工学部, 助手 (60362175)
キーワードチオアミド / チオアミドジアニオン / S, N-アセタール / アミノアレン
研究概要

高選択的でかつ高効率で進行する新しい合成反応の発見と開発は有機合成化学に於ける重要な課題の一つである。これまで新しい炭素骨格変換反応の開発にはカルボニル基、アルケニル基、アルキニル基などの官能基が広く利用されてきた。一方、本研究ではアミドの酸素原子をイオウ原子で置き換えた同族体であるチオアミドを用いた含イオウ活性種の発生とそれを利用する炭素-炭素結合形成反応の開発を行った。
・含イオウアニオン性活性種を鍵とする炭素-炭素結合形成反応
チオアミドと2当量のBuLiとの反応は0℃から室温で速やかに進行し、チオアミドジアニオンが発生した。その求電子体との反応は、窒素に隣接する炭素上で選択的に進行し、さらに反応混合液を水洗処理することでチオカルバモイル基が再生した。またチオアミドジアニオンとヨウ素との反応では、チオアミドジアニオンの酸化的カップリング反応が進行しジアミン誘導体を高収率でしかもdl体を優先的に与えた。なおこれらの反応はチオアミドに特徴的であり通常のアミドでは進行しない。
・含イオウカチオン性活性種を鍵とする炭素-炭素結合形成反応
チオアミドのMeOTfを用いたメチル化反応はチオイミニウム塩を数秒以内に与えた。さらに得られたチオイミニウム塩にリチウムアセチリドを作用させることで、通常は安定性が低いS,N-アセタールやアレンアミンを与え、これらは安定に単離することができた。なおアミノアレンの生成は、MeS基の1,3-転位を伴って進行している。
以上、本研究で鍵となる活性種はいずれも市販の原料から簡便に合成されるチオアミドを用いており、従来法では合成が困難であった誘導体を容易に導く新合成経路が確立された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Murai, M.Ishizuka, A.Suzuki, S.Kato: "Reaction of lithium eneselenolates derived from selenoamides with ketones : a highly diaste reoselective synthetic route to α-disubstituted α-hydroxy seicnoainides"Tetrahedron Lett. 44. 1343-1346 (2003)

  • [文献書誌] Y.Mutoh, T.Murai: "Acyclic selenoiminium salts : isolation, first structural characterization, and reactions"Org.Lett.. 5. 1361-1364 (2003)

  • [文献書誌] T.Murai, A.Fujishima, C.Iwamoto, S.Kato: "Highly efficient Peterson olefination leading to unsaturated selenoamides and their characterization"J.Org.Chem.. 68. 7979-7982 (2003)

  • [文献書誌] T.Murai, H.Aso, Y.Tatematsu, Y.Itoh, H.Niwa, S.Kato: "Reaction and characterization of thioamide dianions derived from N'-benzyl thioamides"J.Org.Chem.. 68. 8514-8519 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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